
こんにちは、健康マネジメントスクール水野雅浩です。
今回のテーマは「睡眠マネジメント」。
日本人の5人に1人は、睡眠不足。3人に1人は慢性的な不眠症と言われていますが、皆さんは、質の良い睡眠が取れているでしょうか?
日常で以下のような症状はありませんか?
なんとなく疲れやすい
ストレスを感じる
ドカ食いしやすい
些細なことでイライラする
集中力が続かない
注意が散漫になる
これらは睡眠不足からくる初期症状として代表的なものです。眠気を感じなくとも、身体に必要な睡眠時間・質が足りていない可能性があります。そして、仕事上ではメリットとなることが一つもありません。
今回は、オモテのテーマとして、「仕事のパフォーマンスを上げる睡眠マネジメント」としました。また、ウラのテーマとして、ココロとカラダを守る睡眠スキルを身につける。つまり、Withコロナ時代の健康マネジメントとして「睡眠」を位置づけました。
実は、睡眠をテーマにしようと思ったのは、私の友人の一言がキッカケでした。私の高校の同級生は、日本で医者になり、国境なき医師団として世界を拠点に活動し、今はアメリカのエモリー大学病院の救命救急の現場で新型コロナウィルスと戦っています。
以前、ZOOMオンラインで質問をしたことがありました。その質問内容は、「新型コロナウィルスにかからないように、そして、治療が終わった後も、患者さんに『予防』としてしているアドバイスはありますか?」というものです。
そこで、間髪入れずに返ってきた答えは、一言。
「睡眠」でした。
日本のメディアでは、手洗い、うがい、マスク、三密を避けるなどが盛んに報道されます。ドクターから出る言葉としては、上記のものか、もしくは、ビタミンCなどのサプリメントの摂取などが進められるのかと想像していました。
しかし、新型コロナウィルスの最前線で患者を救う救命救急医からのアドバイスは、「睡眠」だったのです。
友人曰く、ウィルスや、細菌の盾となるのは免疫。免疫をキープするうえで欠かせないのは睡眠。新型コロナウィルスの予防にも、治療後にもたっぷり睡眠をとることをアドバイスしているとのことでした。
私達日本人は、手洗い、うがい、三密を避ける、ということばかりに目が行きがちで、睡眠を後回しにする傾向があります。ともすると、睡眠時間を削ってまで働く傾向があります。しかしそれは今の時代において本当に正しい生活リズムなのでしょうか?
今回は、質の良い睡眠をとることで、仕事のパフォーマンスをあげるためにも、ウィルスに対する抵抗力を高めるためにも、睡眠マネジメントをご紹介していきたい思います。
前半は、睡眠のリテラシーを高めるうえで
なぜ、今、睡眠マネジメントなのか
睡眠をとることのメリット睡眠のとらないことのデメリットを紹介します。
後半は、時間の流れに沿って、
夜は、「自律神経」を整えるための習慣
昼は、「Sleep Pressure」を高める習慣
朝は、「体内時計」をセットする習慣
今は、在宅ワークが基本となり、また海外とのWeb会議なども活発になり、なかなか100%の実行が難しい環境ではあります。しかし、日本の伝統である茶道、華道、書道などのように一度、「型」を学んでおくと、あとは個人の置かれた状況に合わせて、アレンジしながら型を崩すことも可能になります。
一番良くないのが型そのものを知らない、アレンジしようもないという状態です。まずは100%の実行でなくても大丈夫です。睡眠マネジメントのヘルスリテラシーを高める上でも、まずは原理原則を一緒に学んでいきましょう。
マネジメントスクール代表。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。著書「グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣」はアマゾン総合1位に。介護サービスに10年間携わり、人の「老い」と向き合う。その後の香港勤務時代では香港のエグゼクティブ達が日々コンディションを整え仕事の成果を上げる姿を見て、日本のサラリーマンとの違いを痛感。香港で100人を超える香港のビジネスマン達に健康習慣を取材、また予防医学を体系的に学ぶ。日本のビジネスマンの生活スタイルに最適化した健康習慣を構築。各種ビジネス誌、医療誌で注目される。企業、行政、大学の講演会・講義では分かりやすくすぐに実践できる内容と高い評価を得ている。現在は、「健康を企業文化に」の理念のもと①健康経営の導入支援 ②健康マネジメント(食事・睡眠・運動・ストレスケア)の企業研修を行っている。
[著書]
「稼げる男」と「稼げない男」の健康マネジメント (明日香出版)
「太らない」「疲れない」21の習慣(飛鳥出版)
日本の睡眠について置かれている現状を確認すると、、、。
今は随分、変わってきましたが、日本の労働環境は、ずっと睡眠を軽視してきました。今は働きた方改革で、少しずつ変わってきてはいると思います。EU諸国では勤務間のインターバル制度は1993年に導入済みで、24時間につき最低連続11時間の休息を与えることが義務付けられています。これに比べると、日本は世界的に見てもまだまだ睡眠後進国と言えそうです。
日本では、一時的な不眠症に陥っている人は約5割、慢性的な不眠症では約3割いるとされ、15%が日中に過度の眠気を感じていることが分かっています。
そこに加えて、新型コロナウィルスの発生による、「働き方の変化」があります。多くの方は、在宅ワークを経験した方が多いのではないでしょうか。
医療機器メーカーのオムロンの調査によると「在宅ワークで睡眠の質が低くなった」と答えた人が56%。さらに「精神的なストレスが増えた」と答えた人がなんと、60%を超えました。
これは、新しい時代の変化の中で、睡眠での身心の回復が出来ていないことが想像できます。
6時間睡眠を14日間続けると丸2日徹夜したのと同程度の認知機能になります。つまり、毎日6時間睡眠を続けている人は、「毎日徹夜明けで仕事をしている状態」で仕事をしているということです。
睡眠を削ると、集中力、注意力、判断力、実行機能、即時記憶、作業記憶、数量的能力、数学能力、論理的推論能力、気分、感情など、ほとんどすべての脳機能が低下することが明らかになっています。
このレクチャーでは、睡眠不足がどれほど免疫低下に影響を与えるのかをご説明します。
睡眠不足による病気のリスクについては、多くの研究が示していますが、有名なのがカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究です。睡眠時間が7時間以上だった人に比べ、6時間未満だった人は、風邪にかかる確率が4.2倍高いことがわかりました。さらに、5万7000人の女性を対象にした調査によると、睡眠時間が5時間以下の人は8時間前後の人たちに比べて1.39倍肺炎になるリスクが高いという研究結果も。
つまり、睡眠時間が少なくなることで、ウィルスや細菌に対しての抵抗力、つまり免疫力が弱っていることがわかります。
出典
Sleep. 2012 Jan 1;35:97101.
Sleep deprived? Expect to get sick too(カリフォルニア大学 2015年8月31日)
COVID19 studies: Obesity boosts risk; diagnosing health workers(ミネソタ大学 2020年4月20日) Clinical Characteristics of Covid19 in New YorkCity(New England Journal of Medicine 2020年4月17日)
Symptom Screening at Illness Onset of Health Care Personnel With SARSCoV2 Infection in King County, Washington(JAMA 2020年4月17日)
Preliminary Estimates of the Prevalence of Selected Underlying Health Conditions Among Patients with Coronavirus Disease 2019 United States, February 12 March 28, 2020(米疾病対策センタ 2020年3月31日)
このレクチャーでは、睡眠不足が肥満に関係するという内容です。
私はダイエットのコーチもしていますが、ダイエットで体重を落とすことに失敗する人の特徴は、睡眠不足の状態でダイエットをしている傾向にあります。
睡眠時間と肥満についての研究では、睡眠時間5~6時間で1.2倍、4~5時間で1.5倍、4時間以下では1.7倍も太りやすくなることが分かっています。つまり、睡眠不足になればなるほど太りやすくなることを示しています。
この現象は、睡眠不足によって、ホルモンバランスが乱れることにあります。つまり、食欲増進ホルモンのグレリンの分泌が増え、食欲抑制ホルモンのレプチンが減ってしまうのです。
では、食欲が増したことで健康的な食事を欲するかと言えばそうではなく、糖質や、脂肪などいわゆるジャンクフードの摂取欲求が増えてしまいます。この背景には、睡眠不足になると、体は「身の危険」を感じて、必死でエネルギーを蓄えようとするからです。
さらに、新型コロナウィルスの死亡率を見てみると、肥満体形のほうが
ニューヨーク市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と診断された393人の患者のうち、35.8%がBMI30以上の肥満で、人工呼吸器が必要となった患者の43.4%が肥満だったことを考えると、肥満と関係が深い睡眠不足は今すぐにでも解消したい課題です。
出典
COVID-19 studies: Obesity boosts risk; diagnosing health workers(ミネソタ大学 2020年4月20日)
Clinical Characteristics of Covid-19 in New York City(New England Journal of Medicine 2020年4月17日)
Symptom Screening at Illness Onset of Health Care Personnel With SARS-CoV-2 Infection in King County, Washington(JAMA 2020年4月17日)
Preliminary Estimates of the Prevalence of Selected Underlying Health Conditions Among Patients with Coronavirus Disease 2019 - United States, February 12 - March 28, 2020(米疾病対策センター 2020年3月31日)
Researchers confirm the biochemical cause of seasonal depression(SAD)(コペンハーゲン大学 2014年10月19日)
このレクチャーでは、睡眠不足が認知症に関係するという内容です。
厚生労働省の調査によると、認知症患者は2012年の時点で462万人。その数は2025年に700万人を超え、なんと65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
認知症のイメージは、ある程度は知っていることと思います。ここで注意したいのは、認知症は、風邪などの病気と違い、「慢性あるいは進行性の病気」という点です。つまり、認知症は原則的に常時、認知機能に障害がある状態で、回復するのは1%以下と報告されています。つまり、認知症をなおす薬はない。できることは予防することだけ、という事実。
慢性的な不眠を抱えている人と、よい睡眠がとれている人とでは、うつ病の発症率は40倍の違いがあり、認知症発症のリスクの差は5倍にもなります。
私は10年間介護の仕事をしてきましたが、お身内で認知症を発症すると在宅で暮らすことはまず難しく、ご本人だけでなく、ご家族にも大変な負担となり生活は一変する場面を何度も見てきました。米国のベイラ大学の調査によると認知症患者を介護する家族は睡眠不足になりやすいという調査結果があり、この調査が意味することは、介護をする家族も睡眠不足がきっかけで認知症になる可能性があるということです。
人生100年時代というキーワードの中でも、睡眠マネジメントは自分が認知症にならないようにするためにも、ご家族を認知症にしないためにも、必要不可欠なヘルスリテラシーとなっていきます。
出典
Caregivers of People with Dementia Are Losing Sleep(ベイラ大学 2019年8月23日)Sleep Duration and Sleep Quality in Caregivers of Patients With Dementia(JAMA 2019年8月23日)認知症(世界保健機関 2019年5月14日)
有名な研究に、スタンフォード大学では、バスケットボ-ル部員に1ヶ月半に渡り、毎日10時間以上の睡眠を毎日とるように指示をし、その間のバスケットボ-ルに関するパフォ-マンスの変化を記録しました。
その結果、毎日長く眠ることにより
ダッシュの速度が速くなり
フリースロー
スリ-ポイントシュ-トの成功率が約10%向上し
試合や練習中の怪我をする選手の人数が大幅に減ったという研究結果が出ています。
アスリートも結果を出そうとするあまり、睡眠時間を削ってのハードトレーニングをしがちですが、今のパフォーマンスを最大化するためにも、規則的で充分な量の睡眠をとることが大切なことを示唆しています。
私たちが、10時間の睡眠をとることは現実的ではないかもしれません。しかし、結果を出す、という上ではアスリートもビジネスパーソンも同じです。睡眠不足によりココロやカラダの状態を地盤沈下させるのではなく、睡眠時間を1時間長くして、パフォーマンスを向上させると考えたほうがよさそうです。
出典
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3119836/
このレクチャーでは、睡眠が抗老化、アンチエイジング効果をもたらす背景についてご説明します。
このレクチャーでは、睡眠の持つ疲労回復効果についてご説明します。
出典
総務庁ホームページhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/gokan/pdf/060922_2.pdf
(0)自律神経をONからOFFへ
皆さんは、朝起きた時に、疲れが溜まっている、疲れが抜けていない、胃もたれがあり朝ごはんを食べる気にもならない。重い体を起動させるために、朝から栄養ドリンクを飲んだり、砂糖たっぷりの缶コーヒーを飲んで仕事に行った…という経験はないでしょうか。
朝、ガス欠の状態で、職場についても、頭が回り始めるまで時間がかかったはずです。実は、20代、30代の私の典型的な姿でした。
朝、目覚めた時に、決まった時間に無理なく目が冷めて、疲れが取れている、お腹が適度に空いていて朝ごはんが自然と食べたくなるそんな状態を作っていくには、良質な睡眠のための「夜の仕込み」が大切です。
夜、質の良い睡眠を摂るためには、ONからOFFへの切り替えが段階を追ってスムーズに行えることが大切です。例えるならば、日中は、高速道路を走っているトラックが、仕事が終わると、高速道路から一般道に入り、徐行しながら車庫に入り、夜には静かにエンジンを切り、車体を休ませるようなイメージです。
ところが、布団の中でも、頭や体が興奮し、エンジンがかかりっぱなしの人がいます。これでは、体も心も壊れてしまいます。
私達のカラダをコントロールしている司令塔に自律神経がありますが、これは、ONの状態を交感神経、OFFの状態を副交感神経と呼びます。この2つの神経をONからOFFに切り替えていくことが良い睡眠につながっていきます。
これからご紹介する習慣には、すでに「知っている」ものが含まれているかもしれません。その際は、「実行できている」か、チェックをしてみてください。
では、睡眠マネジメント夜の7つの習慣を一緒に学んでいきましょう。
(1)八時台、腹八分目
まず、第一の習慣ですが、それは、実は、「八時台、腹八分目」という習慣です。
私は、企業や、大学などで社会人で働くビジネスパーソンから学生を対象に健康マネジメントをテーマに講師をする中で、睡眠をテーマにしたアンケート調査をして分かったことがありました。その中で、出てきた興味深い結果があります。
睡眠不足の人の共通点は2つ
1つは、夜、「食べる時間が遅い」ということ。もう一つは、お腹いっぱい食べて、「満腹の状態で寝ている」ということでした。
夜遅い時間に食事をして、お腹の中に食べ物が残った状態で睡眠を摂ることは、脳や筋肉は休息をとっていたとしても、内蔵は、ずっと残業をしている状態。先程のトラックの例で言うならば、車体は車庫に入っているのですが、一晩中、エンジンがかかりっぱなしの状態です。これでは、カラダは休まりませんし、
そこで、生活の基本リズムとして、できたら七時台に食事をはじめ、遅くとも八時台には晩ごはんを食べ終わりましょう。食べたものが胃の中で、消化され、空っぽになるまでに3時間かかります。寝るときには、胃の中には何もない状態で内臓から休ませるためです。
もう一つは、腹八分目。どか食いをして、お腹いっぱい食べることは、その瞬間の満足感はあっても、内蔵にも血管にも負担をかけ、結果として全身を老化させるので、いいことは一つもありません。
どうしても、食事が遅くなってしまいがちな人、また、ついつい満腹食べてしまう人は、2つのことを実践してみてください。
もし仕事の関係で、どうしても、夜八時代の食事が取れない時は、夕方にコンビニに行き、軽い軽食をとっておきましょう。おすすめは、ゆで卵、魚肉ソーセージ、チーズ、鳥のささ身のようなたんぱく質です。たんぱく質をとることで満腹中枢がしげきされるため、夜中の「どか食い」を防ぐことが出来ます。
次に、どか食いをしてしまう人は、噛む回数を増やしてみましょう。目安として1口20回です。イメージとしては、食べ物が口の中でスープ状になってから飲み込むことを目指します。現代人は、ほとんど噛まなく飲み込むように食べている傾向にあります。その結果、内蔵への負担は食事をするたびに増え続けています。身体の中にこびりつく慢性的な疲れの根本的な原因がここにあります。
よく、寝具を変えても、寝る時間を変えても、睡眠の質が低い人がいますが、原因は、食べる時間が遅いこと、満腹まで食べていることが挙げられます。
まずは「八時代に食べ終える」「腹八分目」この二つから取り組んでいきましょう。
(2)スムーズに、眠るための体温マネジメント
2つ目の習慣は、入浴習慣です。
皆さんは、カラスの行水のようにさっとシャワーですませるタイプでしょうか?それとも、ゆっくりお風呂に浸かるタイプでしょうか?
企業などで手を上げていただくと、若い方は特にシャワーですませる傾向にあります。そして、管理職や経営者の方々は湯船には使っているのですが、総じて熱いお風呂にさっと入ってさっとでるというスタイルが多いようです。実は、この2つは、両方とも、自律神経をONからOFFのに切り替えていく、質の良い睡眠を摂るという意味では、ちょっともったいない習慣なんです。
では、どのような入浴のスタイルがスムーズな睡眠を促し、質の良い睡眠につながるのでしょうか。
そこには、「入浴スタイル」「時間」「温度」の3つが関係しているんです。
実は、睡眠と入浴の関係を調査した研究は世界中にあるのですが、テキサス大学とカルフォルニア大学が共同してなんと5,000を超える研究を再評価し、自律神経の交感神経から副交感神経、ONからOFFへの切り替え、スムーズな睡眠をとるための共通項を見つけ出しました。
それは、
1,シャワーではなく、湯船に浸かる入浴スタイル
2,就寝時刻の1~2時間前
3,40~43度での入浴
この3つの要素が睡眠を大幅に改善するのに効果的である」という共通点がわかりました。
結果として、入眠の速度が10分早くなり、朝起きたときの活力が大幅に向上したのです。
私達日本人は、世界で一番お風呂が好きな国民と言われるほどお風呂に入ったり温泉に入ったりすることが身近な国民です。なので、「感覚的」に納得する部分が多いかと思いますが、「科学的」な視点からも証明されたというのが面白いですね。
さらに、寝苦しい夜が続く夏も、シャワーだけで済ませるよりも、湯船に使ったほうがぐっすり眠れることが分かっています。もし、お風呂に浸かる習慣から遠のいて、シャワーで済ませていた方は、ぜひゆっくりとお風呂に浸かる習慣をもう一度、始めてみましょう。
出典
Take a Warm Bath 1-2 hours Before Bedtime to Get Better Sleep, Researchers Find(テキサス大学 2019年7月19日)
Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis(Sleep Medicine Reviews 2019年8月)10分の湯船入浴ではシャワだけに比べ、就床後の心拍数が少なかった。(データ:バスクリン)湯船につかると寝つきが良くなった。(データ:オムロンヘルスケア)
(3)スムーズな入眠の室内温度
3つ目のポイントは室内温度の設定について、です。
皆さんは、「体温サイクル」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
一般的に私達の体温は、
日中は高く
眠るときには低くなる
というリズムを刻んでいます。
つまり、自律神経をONからOFFへという流れでいくと、体温が高い状態から低い状態に上手に切り替えていくことが大切です。
前章の(2)入浴習慣でご紹介した入浴法は、寝る前の1~2時間前に、体を温めておくと、熱が放射され、急激に体温が下がるため、眠気を生じやすくなる効果を利用したものでもあるのです。
今回は、その体温サイクルを更に整えるための室内温度の設定についてです。
室内温度は、25℃~26℃ぐらいで少しひんやりしているぐらいがオススメです。
私達、動物は、体温が下がると眠くなることは感覚的に理解できるのではないでしょうか。ちょっと極端な事例かもしれませんが、熊が冬になると冬眠するのもそうですし、雪山で遭難した登山者が眠気に襲われ、眠らないようにお互いを励まし合うシーンも体温が低下することで体がONからOFFに活動から休息に切り替えていく状況です。
私達も、お風呂に入って体温を上げた後、体温をスムーズに下げていくためにも、室内温度にも気を配りましょう。
寝室のエアコンは、部屋全体を冷やすのに時間がかかりますから、寝る前に25℃ぐらいに冷やしておく。寝るときには、26℃~27℃の汗ばまなく目覚めない程度がおすすめです。
もし、寝室にエアコンがないケースは、水枕を利用したり、冷感マットレスなどを利用するのも手でしょう。
熊が冬眠に入ることをイメージしながら、朝まで深い睡眠にダイブしましょう。
(4)夜の深酒を控えたほうがよい理由
さて今回と次の回では、睡眠をさまたげている習慣についてご紹介します。
今回は、アルコールについて。
一日の終りに晩酌として、お酒を嗜む方も多いかと思います。アルコールは、「酒は百薬の長」といわれるように、適量を守れば、血行を促進し緊張感を和らげ、体に良い働きをもたらします。日本の国立がん研究センターの調査では、適量の飲酒を続けている人では、脳卒中の発症が4割低下することが示されているんです。
日中はどうしても自律神経がONになり、私達は過度の興奮状態や、緊張状態にあります。この状態が続くとエンジンがかかりっぱなしの状態で、最終的には体調を崩してしまいます。少し余談になりますが、男性よりも女性の方が長寿な理由はストレスをリリースが男性よりも上手だからと言われています。やはり、一日の最後にお酒を飲んでリラックスし、ココロとカラダのストレスをリリースする時間を持つことは大切です。
これだけ健康によいお酒ですが、気をつけなくてはならないのは、夜のお酒の飲みすぎ。
アルコールは睡眠にさまざまな影響を与えることが分かっています。
1つは、利尿作用。
お酒には、利尿作用があるため、睡眠の途中で起きてしまいます。利尿作用とは、水分を摂取した以上に尿となって水分が出ていくことを指すので、夜、脱水状態で夜を過ごすことになります。脱水状態というのは、体内の水分が少ない状態。血液は、水分不足で濃度が高まり、ドロドロに。すると血栓ができやすくなり、脳梗塞になる確率が高まります。睡眠が、永眠になってしまってはシャレにならないので、夜のアルコールの過剰摂取は気をつけたいもの。
2つめは、睡眠の質の低下。
アルコールを飲むと寝つきは良くなります。しかし、睡眠の後半、午前3時、4時ごろに交感神経の活動が高まり、睡眠の持続性が低下することが分かっています。
3つめは、日中への影響。
アルコールを睡眠のために使用している人は、アルコールが睡眠の質を下げる作用が持続し、日中の眠気が強くなり仕事の能率が下がることが分かっています。
ちょっと脅すようなことばかりご紹介しましたが、お酒を飲む良い点もあるので、ゼロにする必要はありません。大切なのは、量と時間です。
量については、ビールなら500mL程度、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合程度です。糖質を気にされている方は、糖質が少ない、焼酎2杯、ウィスキーを炭酸水で割ったハイボールなどを2杯程度がオススメです。
また時間については、眠る3時間前までに飲み終えること。この程度の量ならば体内で代謝されるために睡眠への悪影響を妨げることが出来ます。
さらに、睡眠の質が低下することは、免疫という盾が小さく、ボロボロになっていくということ。深酒や多量飲酒をすると睡眠の質が低くなる、≒、新型コロナウィルスへの抵抗力が弱くなると意識して、適量を守っていきましょう。
出典:アルコール情報ペジ(厚生労働省)
Alcohol Deaths(米疾病対策センタ 2014年6月30日)
(5)ブルーライトの付き合い方
前回は、寝る前の過度なアルコールが睡眠にとってどれだけ良くないのかをご紹介ました。今回は睡眠前にやってはいけない習慣の2つ目です。それが、寝室でブルーライトを浴びる習慣。
ブルーライトが目や脳に良くないことはなんとなく、ご存知かと思います。ただ、私達の生活の中では、パソコン、スマートフォン、タブレット。さらには街の中ではLEDライトが溢れていて、なかなかブルーライトから離れることは難しい環境にあります。
さらに今は、アマゾンプライムやネットフリックスなどサブスクリプションの動画サービスが充実しているのでついつい寝室に入っても見入ってしまう環境にあります。米国睡眠財団が2014年に行った調査によると、成人の89%と子供の75%は寝室に電子機器を1台以上持ち込んでおり、その半数はスマートフォンやタブレット端末と言われています。おそらく2020年の今ではほぼ100%に近づいているのではないでしょうか。
ここで一度ブルーライトが、どれだけ睡眠を妨げているのかをもう一度確認しておきましょう。
人工的なブルーライトには健康面で様々な問題点が指摘されていますが、その影響が最も懸念されているのが、睡眠です。
人間の構造は、夜、睡眠ホルモンのメラトニンが多く分
泌されて眠気が出ていきます。しかし、メラトニンは光に敏感に反応する性質を持っています。就寝時にスマートフォンなどの画面のブルーライトを長時間見ていると、メラトニンの分泌が低下し、睡眠の質が低下し、その影響は朝まで続くことが分かっています。夜のブルーライトは、「目からエスプレッソを飲むようなもの」と表現されるゆえんです。
では、どうすればよいのでしょうか?
まず、環境を整える上でスマートフォンは枕のそばにあるとどうしても触ってしまうので、寝室の中でも、手の届かない場所に置く。どうしても触ってしまう人は、ブルーライトカット眼鏡をかけると良いでしょう。
アスリートの多くは、質のよい睡眠を摂ることがパフォーマンスに関係しているため、寝る前の習慣をインタビューした記事では、何度も読んだストーリーがわかる漫画などを読む人が多いようです。脳が興奮するような推理小説などではなく、すでに、ストーリーが分かっている、脳も興奮しないという点がポイントなのでしょう。
ぜひ、私達も参考にして睡眠前に脳を落ち着かせる習慣を定着させていきましょう。
出典:E-Readers Foil Good Night's Sleep(ハーバード大学医学大学院 2015年1月5日)
(6)サプリメントの活用
今まで、自律神経をONからOFFにしていく上で、
内蔵に負担のかけない食事法
入浴法
室内の環境設定
お酒との付き合い方
ブルーライトを遠ざける方法
をご紹介してきました。
今回は、少し変わった項目になります。それはサプリメントの活用。
実は、睡眠の質を高めるうえで、サプリメントの活用もおススメです。
睡眠にサプリメントと聞くと、もしかしたら、睡眠薬なんじゃないか?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?なかには、サプリメントはまだ、信用出来ないんだよなー、と思われる方もいると思います。
しかし、ここ数年でサプリメントを取り巻く環境は大きく変化しました。
昔は、黒酢やにんにくなどをサプリメントにしたものが主流でした。なかには、どれだけの量が入っているのかもよく分からなく、また、どれだけ科学的なエビデンスがあるのかもはっきりせず、イメージ商品が沢山世の中に出回ったことも事実です。
しかし、2015年に始まった「機能性表示制度」ではトクホと同じ位置づけで、安全性と科学的なエビデンスがある商品が発売されるようになりました。
その中には睡眠サポートのサプリメントとして、数多く発売されています。
私も出張が多く、出張先では寝室の環境が毎回変わるため、一時、睡眠の質が低くなり悩んだことがありました。
それ以来、睡眠のサプリメントを活用するようにしています。そのためか、環境が変わっても大抵のところではストレスなくスムーズな睡眠をとることができ、朝スッキリ目覚めることが出来ています。
ここでは、機能性表示制度として安全で有効性が証明された栄養成分をご紹介します。
Amazon : サプリメント + 機能性 + 睡眠
と検索するとさまざまなものが出てくるので、まずは、試してみるとよいでしょう。どれもコストパフォマンスがよいので、オススメです。
下記は一例として代表的な成分をご紹介します。
一覧表
GABA 100mg 一時的な疲労感やストレスを感じている方の睡眠の質(寝入りばなの眠りの深さ)の向や、すっきりとした目覚めに役立つ。日常生活で生じる一時的な活気・活力の低下を軽減する。デスクワークなどの精神的ストレスがかかる作業によって生じる一時的な疲労感を緩和。一時的な疲労感やストレスを感じている方の睡眠の質(寝入りばなの眠りの深さ)の向や、すっきりとした目覚めに役立つ。日常生活で生じる一時的な活気・活力の低下を軽減する。デスクワークなどの精神的ストレスがかかる作業によって生じる一時的な疲労感を緩和。
L-テアニン200 mgL-テアニン200 mg睡眠の質を高める(起床時の疲労感を軽減する)ことに役立つ睡眠の質を高める(起床時の疲労感を軽減する)ことに役立つ
ラフマ由来イソクエルシトリン:1mgラフマ由来ヒペロシド:1mg、ラフマ由来イソクエルシトリン:1mg睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上に役立つ睡眠の質(眠りの深さ・起床時の睡眠に対する満足感)の向上に役立つ
(7)たった2分で眠りに落ちる睡眠導入法!
今までの睡眠マネジメントを振り返ってみると、
体に負担をかけない食事法
体温マネジメント
寝室の環境設定
夜の晩酌の量と時間
ブルーライトととの付き合い方
サプリメントの活用法
などについてご紹介しました。
特に、サプリメントはなんとなく怪しいものと思っていた方も、今は、安全性と科学的なエビデンスが証明された機能性表示のサプリメントがたくさん出てきているのでぜひ、活用して頂きたいと思います。
さて、今回ご紹介するのは、米軍が採用している、96%のパイロットが成功している睡眠習慣です。
健康マネジメントには、食事、睡眠、運動、ストレスケアという4つのカテゴリーがありますが、その中でも、睡眠は人間が生きていく上で最も欠かせない生理機能の一つ。私達現代人も、我々現代人は仕事や勉強に追われ、興奮状態が続き、なかなかスムーズに睡眠をとることが難しい環境にあります。しかし、もっと過酷なのが軍隊。いざ戦争状態になると過度な興奮状態に置かれ、騒音が鳴り響く環境となります。しかし、その中でも睡眠を取らなければ、翌日、戦うことは出来ません。
そんな中、米軍のパイロットが睡眠不足によりミスを犯さないよう、あらゆる状況で眠るために開発された睡眠導入法をご紹介します。
1981年に出版された『Relax and Win: Championship Performance』にて紹介されている2分で眠りにつく方法です。
手順は以下の通り
1.ベッドに横たわり、舌、顎、目の周りなどを意識し、顔の筋肉をリラックスさせる。
2.肩の力を抜き、その後片腕ずつ、上腕、前腕と順番に力を抜いていく。
3.息を吐き、胸をリラックスさせ、続いて足の力も抜いていく。
4.10秒かけて頭の中をできるだけ空っぽにし、以下の3つのイメージの中から1つ想像する。
①あなたは穏やかな湖に浮かぶ小舟の上で横になり、視界には澄み切った青空が広がっている。
②あなたは真っ暗な部屋の中で黒いベルベットのハンモックに横たわっている。
③あなたは10秒間「何も考えない、何も考えない、何も考えない……」と自分に言い聞かせる。
この睡眠導入法は、6週間のイメージトレーニングでなんと96%ものパイロットに効果が見られたと言います。
コーヒーを飲んだ後や、マシンガンの銃声が聞こえる状況でも有効だった(!)というから効果は実際に証明されていると考えていいでしょう。
先程の3つのシーンですが、ポイントは余計なことを考えずに、リラックス出来ている状況に集中するということです。
私は、少しアレンジして「呼吸をするたびに、ゆっくりゆっくり、海の底に沈んでいく」ことをイメージして、スムーズに睡眠できています。
この睡眠導入法は習得までに6週間と多少時間はかかりますが、パブロフの犬の効果もあって、呼吸を整え、頭の中で先程のイメージを繰り返すと、どんな環境であってもスムーズに眠ることができるようになります。
今までの睡眠マネジメント法が吹き飛んでしまうような方法ですが笑、良い習慣を一つでも増やしてより質の良い睡眠をとってください。
0)イントロ:睡眠圧力を高める
健康マネジメントスクール水野雅浩です。
前の章では、ONからOFFに切り替える、別の言い方をすれば、自律神経を興奮する交感神経から、リラックスの副交感神経への切り替え習慣についてお話をしてきました。一つ一つ実行して、OnとOFFの切り替えサイクルを回していきましょう。
今回は、夜ではなく、日中の過ごし方について3つの習慣をお伝えします。
皆さんは、Sleep Pressureという言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本語では睡眠圧力と訳されます。夜に気持ちよく眠れている人は、日中にこのSleep pressureを上手にコントロールしています。ダムで言うならば、日中にSleep Pressureを小出しせずに、上手にかさ増しをしておいて、夜に最も睡眠への圧力がかかるようにし、睡眠とともに一気に開放するようなイメージです。
逆に、夜なかなか寝付けない人は、このSleep Pressureをマネジメントできておらず、眠るタイミングが乱れてしまっている方です。
今回は、夜に気持ちよく睡眠をとるための日中の過ごし方を学んでいきましょう。
(1)カフェインは15時まで
カフェインと聞いてすぐに思い浮かぶ飲み物はコーヒーでしょう。コーヒーは、カラダの細胞のサビを防いでくれるポリフェノールをリッチに含む健康ドリンクです。
しかもカフェインは、血管の拡張作用などもあり、健康に寄与する栄養成分が含まれる飲み物です。国立がん研究センターでは、コーヒーを摂取する群において、心疾患、脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクが減少するという研究結果が報告されています。
ただし、良質な睡眠をとるという視点においては飲むタイミングを考える必要があります。カフェインは覚醒作用があります。朝、昼などは良いですが、夕方にカフェインが入ったコーヒーを飲むと、Sleep Pressureが後ろ倒しになり、眠気が訪れるタイミングが遅れてしまいます。
カラダからカフェインを完全に抜いて、夜スム-ズに眠るためにも15時までにしておいたほうがよいでしょう。
時々、夜、コーヒーを飲んでも普通に眠れる、という方がいますが、それでもやめておいたほうがよさそうです。
なぜならば、カフェインには覚醒作用の他に、利尿作用があるため、途中でトイレに起きて、結果として、睡眠の質を下げて、疲労回復効果を妨げてしまいます。
世界最大のコーヒーチェーンのスタバックスコーヒーの役員も仕事のパフォーマンスを落とさないためにも、コーヒーは15時までときめているとおっしゃっていました。
カフェインという視点においては、実は、コーヒー以外にも、紅茶や緑茶、栄養ドリンク、エナジドリンクにもカフェインは含まれているので、夜になってもなかなか眠れない人、また一度、寝ても途中トイレなどで起きてしまう人は、15時以降の飲み物にカフェインがはいっていないか確認してみましょう。
補足すると体質でカフェインがカラダに合わない方も中にはいらっしゃいます。私もコーヒーは大好きなのですが、カフェインに敏感な体質なので15時ではなくコーヒーは14時までと決めています。ぜひご自身の体調に合わせて、睡眠の質を下げない最適な時間を模索してみてください。
出典
多目的コホート研究「JPHC Study」(国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究グループ)
(2)ウォーキング習慣が睡眠を改善
前回は、Sleep Pressureを高めるために、コーヒーの時間コントロールについて学びました。今回は、Sleep Pressureを高めるため2つ目の習慣についてご紹介します。実は、Sleep Pressureを高めるためにはある程度、心地よく疲れていることが大切な要素となります。
皆さんも、休日、だらだらと家の中でテレビを見て過ごし一日終わってしまった日の夜は、何故か眠れないという経験をしたことはないでしょうか。また、在宅ワークでずっと家の中でパソコンと向かい合っていた日などもなかなか上手く寝付けなかった経験があるかもしれません。
今回は、心地よい運動で、Sleep Pressureを高める習慣をご紹介します。
それが1日20分のウォーキングです。
ウォーキングの時間帯としては、朝、少し早起きをして20分間ウォーキングでも良いでしょうし、仕事の後、一つ前の駅で降りて20分間歩いて帰る、でも良いでしょう。
カリフォルニア大学精神神経免疫学センターでは43万人のアメリカ人を対象とした研究で、ウォーキングなどの軽い運動習慣がある人は、良質な睡眠が取れる傾向にあることを報告しています。
ウォーキングの優れている点は、睡眠面だけではなく、アメリカ国立がん研究所の研究では週のウォーキング時間が、合計150分、つまり1日20分のウォーキングによって4年半も寿命が長くなることを報告しています。
睡眠の質が高くなるだけでなく、寿命まで伸びるウォーキング習慣は、費用対効果が高い習慣と言えそうです。
私は朝の20分のウォーキングと、週に2回の30分のスイミングをルーティンとしています。改めて実感するのは、適度に体を動かしたほうがその日の夜の睡眠の質は格段に高くなるということ。
まずはハードルが低いウォーキングからスタートして、徐々に、軽いランニング、スイミング、ヨガなど体を動かす習慣をつけていきましょう。自然とSleep Pressureが高まり、良質な睡眠につながっていくはずです。
出典
Partial sleep deprivation linked to biological aging in older adults(米国睡眠医学会2015年6月10日)
Yoga, Running, Weight Lifting, and Gardening: Penn Study Maps the Types of Physical Activity Associated with Better Sleep Habits(ペンシルベニア大学 2015年6月4日)
(3)日中の休憩時間をコントロール
夕方にコーヒーも飲んでいない、仕事の後にジムに行って軽い運動もした。だけど、夜、眠れないという人がいるかも知れません。
そんな方は、帰りの通勤時間、例えば、バスや電車の中で仮眠をとっていないか確認をしてみてください。帰りの通勤時間でなくても、在宅ワークしていて夕方にちょっとソファーで仮眠などをしていないか、チェックしてみると良いでしょう。
実は仕事の合間に仮眠を取る、昼寝習慣は、歴代のアメリカ大統領も、プレッシャーの中で仕事をするNASAの宇宙飛行士も実行しているとても良い習慣です。
しかし、これには条件があり、昼寝は15時まで、しかも20分以内。というもの。
15時以降、例えば、夕方や仕事の終わりに仮眠をとってしまうと、Sleep Pressureが一度開放されてしまい、夜の眠気が弱まってしまうのです。
もし昼寝をするのであれば15時まで、20分以内。
夕方や、仕事終わりに眠気が襲ってきたとしても、その眠気は夜の深い睡眠のために溜めておく。という意識を持つと良いでしょう。
夜、グッスリ眠れるようにするための「仕込み」は実は、朝から始まっています。
朝の睡眠習慣をご紹介します。
(1)3分間太陽の光を浴びる」習慣
朝の章の1つ目の習慣は、朝起きたら、「3分間太陽の光を浴びる」習慣です。
皆さんは、朝、目が冷めた時に、子供のようにパチっと目がさめているでしょうか。それとも、歯を磨いても、顔を洗っても頭がぼーっとしているタイプでしょうか。
私達の睡眠を司るホルモンにはメラトニンというホルモンがあります。ところが加齢ともにこの調節が上手く行かなくなります。子供が夜にスムーズに眠れて、朝ぱっと起きることが出来、高齢になると、なかなか眠れず、睡眠時間も短くなっていくのはホルモンの関係が大きく関係しています。
実は、この頭がぼーっとしている状態は、睡眠ホルモンのメラトニンが頭の中に残っている状態なんです。
では、朝、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌をすっきりと止めるには何をすればよいでしょうか。
その切り替えスイッチとして有効なのが、「光を浴びる習慣」。
光の強さは「ルクス」という単位で表現されますが、家の中での蛍光灯による照明の明るさは、一般的には200~250ルクス程度。ところが、外に出て、太陽の光を浴びるとたとえ曇っている日でも約4倍の1,000ルクス以上になります。
つまり、曇り空の日であっても、朝起きたら一旦外に出て太陽の光を浴びることが眠気ホルモンを断ち切り、体内時計を整える有効な方法なのです。
さらに、睡眠ホルモンのメラトニンは、朝、太陽の光を浴びると、分泌がストップされ、約16時間後に再度、分泌されるという性質があります。仮に朝7時に起きて太陽を浴びると、夜の23時には睡眠ホルモンがドバっとでるというリズムが出来上がります。
つまり、朝、ベランダなど一度外に出て太陽の光を浴びることは朝の眠気を断ち切り、夜の快眠を準備するための大切な儀式なんですね。
さらに、ノースウェスタン大学の研究では朝に日光を浴びると体内時計が整い、代謝が上がることで、体重は減るという嬉しい研究結果を報告しています。
私は朝起きてまず、500mlはいる大ぶりのコップに水を注いでベランダに行き、3分から5分かけて太陽の光をあびながらゆっくりと飲み干すことをルーティンとしています。このルーティンのためか夜はぐっすり、朝はスッキリ起きることが出来ています。
今は、在宅ワークで、ともすると、家の中で1日過ごしてしまう人も多いようです。朝、太陽の光を浴びることで、朝の眠気を断つことができる、夜スムーズに眠ることができるようになる、おまけにダイエットもできる。いいこと尽くめです。
早速、明日から朝のルーティンに加えていきましょう。
(2)朝食と夜の眠り
前回、朝のルーティンとして、朝起きたら、まずは3分間太陽の光を浴びること。これが体内時計を整えて、睡眠ホルモンの分泌を抑えて、代謝をあげダイエットにもよいという説明をしました。このルーティンは、1週間も続けると、体調が明らかに変わり、「朝スッキリ、夜ぐっすり」を体感できるはずです。ぜひ継続してみてくださいね。
さて、体内時計を整えるもう一つは、「朝ごはん」を食べることです。太陽の光を浴びることと、朝ごはんを食べて内蔵を動かすことは体内時計を整えることにつながるのです。
朝ごはんのポイントは、睡眠ホルモンのメラトニンに材料となるトリプトファンという栄養を朝食に加えていくこと。朝しっかりと仕込んでおくことがよるの睡眠ホルモンを効率よく分泌させることにつながっていきます。
トリプトファンは、実は身近で取り入れやすい食材にリッチに含まれています。
一例をご紹介すると、
大豆製品
大豆製品は、豆腐・納豆・味噌・豆乳など。つまり味噌汁にたっぷりと豆腐を入れて、ご飯を食べるときは納豆ご飯にする。
これなら無理なく続けられそうだと思いませんか?
乳製品
乳製品は、牛乳・ヨーグルト・チーズなど。もし牛乳を飲むとお腹をゴロゴロと壊してしまう人は、牛乳に含まれる乳糖が体質に合わないかもしれません。実は、私も乳糖が苦手なので、スーパーで6ピースに分かれているカマンベールチーズを冷蔵庫に常備しています。朝、バタバタと忙しく朝食を食べる時間がないときは、チーズを口の中に2切れほど放り込んでいます。
鶏卵、魚卵
鶏卵は、冷蔵庫の中に大抵入っているでしょうし、コストパフォマンスが非常によい食材です。私は、味噌汁に卵を落としてポーチドエッグのようにしてトリプトファンをたっぷりの朝ごはんにしています。
魚卵は、たらこなどを指します。私は福岡に住んでいるので辛子明太子が身近です。
白米
実は、白米にもトリプトファンが含まれています。こう考えると、味噌汁と納豆と白いご飯と明太子という典型的な日本食が実は、大切ということが見えてきますね。
ナッツ類
アーモンド・クルミなどもトリプトファンをリッチに含む食材です。
私はAmazonでアーモンドやくるみを1kg単位で注文し、冷蔵庫の中に常備しています。実は朝ごはんではなく、仕事をしながらちょっと空腹を感じた時にポリポリと食べているのですが、これも良質な睡眠につながっているのかもしれません。
冒頭にもお話しましたが、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌は加齢とともに年々、分泌力が弱くなっていきます。睡眠ホルモンの原料となる栄養素を意識的に補い、夜の快眠に向けてコツコツと準備を進めていきましょう。
睡眠マネジメントの原理原則12の習慣のまとめ
アメリカのエモリー大学で救命救急に取り組むドクターからのメッセージ
講座で使用したプレゼンテーション資料一式になります。学習のまとめとしてご活用ください。
皆さん、こんにちは!健康マネジメントスクール水野雅浩です。
今回のテーマは「睡眠マネジメント」。
日本人の5人に1人は、睡眠不足。3人に1人は慢性的な不眠症と言われていますが、皆さんは、質の良い睡眠が取れているでしょうか?
日常で以下のような症状はありませんか?
なんとなく疲れやすい
ストレスを感じる
ドカ食いしやすい
些細なことでイライラする
集中力が続かない
注意が散漫になる
これらは睡眠不足からくる初期症状として代表的なものです。眠気を感じなくとも、身体に必要な睡眠時間・質が足りていない可能性があります。そして、仕事上ではメリットとなることが一つもありません。
今回は、オモテのテーマとして、「仕事のパフォーマンスを上げる睡眠マネジメント」としました。また、ウラのテーマとして、ココロとカラダを守る睡眠スキルを身につける。つまり、Withコロナ時代の健康マネジメントとして「睡眠」を位置づけました。
実は、睡眠をテーマにしようと思ったのは、私の友人の一言がキッカケでした。私の高校の同級生は、日本で医者になり、国境なき医師団として世界を拠点に活動し、今はアメリカのエモリー大学病院の救命救急の現場で新型コロナウィルスと戦っています。以前、ZOOMオンラインで質問をしたことがありました。その質問内容は、「新型コロナウィルスにかからないように、そして、治療が終わった後も、患者さんに『予防』としてしているアドバイスはありますか?」というものです。
そこで、間髪入れずに返ってきた答えは、一言。
「睡眠」でした。
日本のメディアでは、手洗い、うがい、マスク、三密を避けるなどが盛んに報道されます。ドクターから出る言葉としては、上記のものか、もしくは、ビタミンCなどのサプリメントの摂取などが進められるのかと想像していました。
しかし、新型コロナウィルスの最前線で患者を救う救命救急医からのアドバイスは、睡眠だったのです。
友人曰く、ウィルスや、細菌の盾となるのは免疫。免疫をキープするうえで欠かせないのは睡眠。新型コロナウィルスの予防にも、治療後にもたっぷり睡眠をとることをアドバイスしているとのことでした。
私達日本人は、手洗い、うがい、三密を避ける、ということばかりに目が行きがちで、睡眠を後回しにする傾向があります。ともすると、睡眠時間を削ってまで働く傾向があります。しかしそれは今の時代において本当に正しい生活リズムなのでしょうか?
今回は、質の良い睡眠をとることで、仕事のパフォーマンスをあげるためにも、ウィルスに対する抵抗力を高めるためにも、睡眠マネジメントをご紹介していきたい思います。