
みなさん、こんにちは。講師の川越 れい子です。
このコースは「ヨガ検定3級 対策講座」です。
この講座では一般社団法人 全日本ヨガ連盟が設定した「ヨガ検定3級」の内容を学習することで
「身体・呼吸・心の “調和” が取れた状態を身につけること」を目的としています。
具体的に、このコースで学習できることは次の3つです。
ヨガ検定3級合格へ向けた知識・スキル
ヨガの行法(テクニック)を使った、自分に合った調和のとり方
ヨガをライフスタイルに取り入れ、健康で楽しく生きる考え方
「検定対策としての知識」を得るだけでなくヨガをライフスタイルに取り入れ、
「身体も心も健康で幸せになる考え方」を身につけることができます。
また、コース受講対象者は、
ヨガ検定3級合格を目指す方はもちろん、
「ヨガの知識・スキルを深めたい」全てのヨギー、ヨギーニの方々です。
・一般のヨギー、ヨギーニの方は「ヨガを深く学ぶきっかけに」
・インストラクターやそれを目指している方は「自分の力量を客観的に分析する機会に」
この講座を活用していただけると幸いです。
今日では、ヨガというのは様々な形で理解されています。
例えば、ヨガとはストレッチ?有名人がするダイエット法?やせるためのエクササイズ?などです。
しかし、本来ヨガとは「身体、呼吸、心」を整え「自己を取り戻す」ことなのです。
本講座でヨガの知識を深めることで、
・毎日を健康で生き生きと過ごせる「身体」
・時代の流れ、溢れる情報に惑わされない「心、精神」
・ネガティブな状況でも自分の意思で行動できる「考え方」
を見につけましょう。
ヨガの考え方を参考に生きてみることで、
「心も体も健康なライフスタイルへのシフト」することが、私たち人間の本当の幸せなのではないでしょうか。
ヨガとは身体、呼吸、心を整え、「本来の自己を取り戻す」ことです。
ヨガという言葉の意味は「結合する」で、サンスクリット語の「yuj」という言葉から派生しました。
「yuj」を直訳すると「くびきにつなぐ、馬具をつける、一緒にする」と言う意味なんですね。
それでは何と何を結びつけるのか。その答えは「自分と自分以外の存在」です。
よく例えられるのは、「暴れる馬をくびきに結びつける。」
暴れる馬が人間の暴走する心の動きとして例えられています。
「奔走する心を1つのくびきに結びつけることで、コントロールする」意味があったようです。
様々な情報、価値があふれる現代において、
本来、自然と共に生活してきた人間の営みはその早さ、変化に対応することで精一杯です。
自分の本来の気持ちと身体や呼吸が離れているような、置き去りになっているような感じはありませんか?
ヨガを深く学ぶことで、「身体、呼吸、心」を整える術を身につけていきます。
つまり、それが「本来の自己を取り戻す」につながるのです
簡単にいうと、
「ヨガを生活に取り入れて、ヨガを楽しみながら、心も体も、より健康になる人を増やしていく検定」です。
インドのAYUSH省のヨガ基準に基づき自分の力を確かめながら、総合的なヨガ力を身につけ、
日常にヨガを楽しく取り入れていくことを目的としています。
ヨガ検定を受験することで、客観的に自分の力量を知ることができます。
そのため、ヨガを自分の生活スタイルの一部として取り入れていらっしゃる方や、ヨガインストラクターの方など、
「自分のヨガの力を試したい!」「ヨガ的ライフスタイルへシフトしたい!」と思う
全てのヨギ、ヨギーニへ向けた検定となっています。
③ヨガ検定3級を学ぶ2つの理由
理由1:ヨガ検定が「ご自身の今後のヨガの指針となるから」。
理由2:ヨガを学ぶことによって「ヨガ的ライフスタイルへシフトできるから」です。
<1つ目の理由について>
ヨガ検定は、ご自身に力量や知識があるということを第三者機関が客観的に証明してくれるシステムです。
そのため、インストラクターの資格を持ちながらお仕事をしている方も、
ヨガを自分の生活スタイルの一部として取り入れていらっしゃる方も、
その能力を伸ばすためには、
「どういったヨガの習得とレベルアップをしたらよいか」
確認することができます。
つまり、ヨガ検定は「今後のご自身のヨガの指針」となります。
<2つ目の理由について>
ヨガ行法は5,000年以上前から生き残っている「先人たちの知恵の結晶」です。
また、ヨガは「身体・呼吸・心の“調和”が取れた状態を身につけること」を目的としています。
そのため、心も身体も健康で幸せな状態にするには「どういったライフスタイルを送るのが良いか」確認することができます。
つまり、ヨガを学び、その考え方を参考にすることで
「心も体も健康なヨガ的ライフスタイル」へシフトすることができます。
1つ目の未来:「客観的に自分の力量を知ること」ができます。
2つ目の未来:「心身ともに健康で幸せなヨガ的ライフスタイル」を送ることができます。
<1つ目の理由について>
ヨガインストクターは、教える立場として
ヨガ検定を受けることによって得意なところ、苦手なところが分かります。
そのため、「規範に基づいたインストラクターとしてのレベルアップ」が図れます。
また、インストラクターを目指している方は
「TT(ティーチャートレーニング)」の中間テストとして受験することにより、
「自分の現状と課題」を明確にできます。
さらに、一般のヨギーやヨギーニは
「エクササイズとは違う、ヨガの本質や目的」を学ぶことで
「ヨガをより楽しく生活に取り入れる」ことができます。
<2つ目の理由について>
インドのAYUSH省監修のヨガ検定3級テキストブックの知識を深めることで、
・毎日を健康で生き生きと過ごせる「身体」
・時代の流れ、溢れる情報に惑わされない「心、精神」
・ネガティブな状況でも自分の意思で行動できる「考え方」
を見につけることができます。
これにより
今の不安や混乱が渦巻く世の中、
人として毎日を楽しく、健康に、幸せに生きていく希望を見出せない状況であっても
「心も体も健康で幸せなヨガ的ライフスタイル」を見出すことできるのです。
①講座受講中は携帯の電源を切って集中してください
②今後のコンテンツ制作のクオリティ向上のため、レビューをお願いします
楽しく、簡単に本講座を学んでゆく方法がわかります
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この章ではヨガについての全体像を把握することが目的です。具体的には4つの節に分けて解説します。
第1節 ヨガの語源
第2節 ヨガの定義
第3節 ヨガの本質
第4節 ヨガの起源、歴史と変遷
現代において、ヨガは様々な形で理解されています。例えば、ヨガとはストレッチ?体操?
有名人がするダイエット法?やせるためのエクササイズ?腰痛や病気を治す治療法?宇宙と交信する方法?典型的な宗教?など、本来のヨガとはギャップが生まれています。
まず、この章では「ヨガとは何か?」全体像を理解し、本来の目的や本質を正しく勉強していきましょう。
皆さんは「ヨガ」という言葉を聞いたことがあると思います。ヨガとは「結合する」という意味です。ヨガという言葉は、サンスクリット語の「yuj」という言葉から派生しました。「yuj」を直訳すると「くびきにつなぐ、馬具をつける、一緒にする」と言う意味です。それでは何と何を結びつけるのか。その答えは「自分と自分以外の存在」です。
ヨガの古典的な定義は「精神や心(チッタ)のすべての活動を停止すること」です。
ヨガの本質的な目的は、「人が心身の悲しみや、苦しみから自由になる」ことです。
それはどういうことか?次の3つに要約できます。
① 人生のバランスを取り、コントロールすること
② 混乱と苦痛から自分を解放すること
③ ヨガのポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラーナヤーマ)の実践からくる落ち着きの感覚を得ること
まず、「人生のバランスを取り、コントロールすること」についてです。
第 2 節でもお 伝えしたように、「悩んだときが瞑想の入り口」です。
なぜなら、「心が落ち着いていないと 本質を見ることができない」から。
次に、本質を見るために「心の働きを止滅させることが 必要である」でした。
そのためには「ヨガの行法=瞑想法」を使います。
つまり、「心を止 滅させ、解脱に至るため」にヨガのテクニックを「道具」として使い、
自分にとって間違っ た道に行かないようにします。
それが「人生のバランスを取り、コントロールすること」に つながります。
続いて、「混乱と苦痛から自分を解放すること」についてです。
「人生のバランスを取り、 コントロールすること」ができると、
自分にとってのいいルートを通って、生涯を送ること ができます。
これにより、「心身の悲しみや、苦しみから自由に」なります。
そのため、「ヨガは身体が柔らかくなくてはいけない?!」「身体が硬いから出来ないよ!」「ヨガは柔軟 体操だ!」という考えは
ヨガの目的でも、本質でもありません。
そして、「ヨガのポーズや呼吸法の実践からくる落ち着きの感覚を得ること」についてです。
瞑想法(ヨガの行法)をツールとして使うことで、自分が克服しなくてはいけない
「肉体的・物理的な問題に気づきを得る」ことができます。
具体的には、実践の一つとして柔軟 性を追求したり、
ポーズ(アーサナ)をしたりすることで「自分の身体の限界を知ること」 ができます。
また、呼吸法(プラーナヤーマ)も重要な実践の一つです。
正しい呼吸をすることで、「自分の心への気づき」「心の制御(コントロール)」ができるようになります。
以上のように
「人生のバランスを取り、コントロール」「混乱と苦痛から自分を解放」
「ヨガのポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラーナヤーマ)の実践からくる落ち着きの感覚を得ること」が、
ヨガの本質的な目的である「人が心身の悲しみや、苦しみから自由になる」 ことにつながります。
この節ではヨガの起源、歴史と変遷をフローに沿って解説します。まず「ヨガの起源」について、次に「ヨガの歴史年表」を見ながら、特に重要である「5つの広い時代」の事象について、最後に「日本のヨガの歴史、仏教とヨガの関係」についてまとめます。
(0) ヨガの起源
(1) ヴェーダの時代のヨガ
(2) 古典時代以前のヨガ
(3) 古典時代のヨガ
(4) 古典時代後のヨガ
(5) 現代ヨガの始まり
(6) 日本のヨガの歴史、仏教とヨガの関係
ヨガの起源は、今から 5,000 年以上前、紀元前 2500 年〜紀元前 1900 年頃と言われています。
「インダス文明モヘンジョダロの遺跡でパドマ・アーサナ(座を)組んでいる人物像の印章
(後にパシュパティの印章と呼ばれるもの)が発見された」ことが、その根拠になって います。
その印章は「野生動物に囲まれた角のある人物」であったとか「、獣主シヴァの原型」とも言われています。
禅宗などの仏教では、パドマ・アーサナのことを「結跏趺坐」と呼びます。
右脚を曲げて 左の鼠径部(太ももの付け根)へ置き、次に左脚を曲げて右脚の上にクロスするようにし、
左脚を右の鼠径部へ置く座法です。
右足を先に組む形を「降魔坐」と呼ぶ場合もあり、それ は「修行中」を表します。
また、逆の順番で組む形を「吉祥坐」と呼び、「悟りに至った」 ことを表します。
これらは瞑想・座禅の定番座法として用いられ、仏像などもよく結跏趺坐 で座っています。
しっかり座を組むことで自然と骨盤が立ち、⻑時間安定して座ることができます。
(1)ヴェーダ時代のヨガ(紀元前)
紀元前 1200 年頃、ヴェーダ期の特徴は「ヒンドゥー教の基になったバラモン教の聖典に ヨガが登場したこと」です。
つまり「ヨガが初めて言及」されました。
「ヴェーダ」とは紀元前 1200 年頃から古代インドで編纂されたとされる、
ヒンドゥー教 の基になったバラモン教の聖典で、インド文明最古の記録文献です。
この書はヨガが初めて 言及された文献でもあり、「ヴェーディック・ヨガ」と呼ばれる、
知られている限りでは最も古いヨガの教えが含まれています。
また、「ヴェーダ」という言葉は、
もともと「知る、知識」を意味するサンスクリット語か ら作られた名詞で、「知識一般」を指します。
また、「既知及び未知の宇宙にある万物の繋がり」を考察している最古の書にかぞえられます。
後に、古代インドにおける宗教的知識が集 成された聖典そのものの名称とされます。
「ヴェーダ」は一人の著者によって作られたもの ではなく、「リシ」とも呼ばれる聖仙(大昔のヴェーダ・ヨガの導師)達が
神秘的な霊感によって感得した天啓聖典とされ、その多くは口承によって受け継がれてきました。
(2)古典以前のヨガ(紀元前)
紀元前 600 年頃、古典以前期の特徴は「初期、中期、後期ウパニシャッドが⻑年を経て成立したこと」です。
ウパニシャッドとは、インド哲学または六派哲学のことで、その中の一 派にヨガ学派が存在しました。
ウパニシャッドは、バラモン教の聖典ヴェーダの末尾に収め られている著作群で、この時代の主要な文献でした。
ヴェーダの最終章とも言えるウパニシャッドは「ヴェーダンタ」(ヴェーダのアンタ(最後の部分・結び)とも呼ばれ、
ヨガの目的、本質を含んでいると言われています。
通常、ヴェーダンタは「奥義書」と訳されます。
また、サンスクリット語でウパニシャッドは「近くに坐る」と言う意味です。
*ウパ=近く
*ニ=下
*シャッド=坐る
(3)古典時代のヨガ(紀元前 6~3 世紀)
紀元前 6~3 世紀、古典時代の特徴は2つあります。
1 つ目は「パタンジャリがヨーガ・スートラを成立したこと」
2 つ目は「アシュタンガと呼ばれるヨガの悟りに至る 8つの段階 が記されたこと」です。
「ヨーガ・スートラ」はヨガの哲学、目標、技法を概説した現存する最古の書物で、
インドのパタンジャリ師によってまとめられました。
彼は、「アシュタンガ(八支則)」と呼ばれ るヨガの悟りに至る 8 つの段階を記し、
既存のヨガ行法を体系化したことから「現代ヨガの創始者」と言われています。
ヨガの多くが現代まで生き続けているのはパタンジャリのヨ ーガ・スートラのおかげです。
古典時代のヨガは「古典ヨガ」または「伝統的ヨガ」とも言われています。
これは、古典 時代以前に、明確に定義や理解がされていなかったヨガの考えや実践を、
初めて体系化して 首尾一貫した説明をしたからです。
(4)古典時代以後のヨガ(9~18 世紀)
9~18 世紀、古典時代以後の特徴は「ハタ・ヨガと言われる、ポーズを取るヨガが誕生し発展したこと」です。
これは、「健康促進・⻑寿・寿命延伸のためにヨガを利用し、体とその 維持が重要になった」ことが根底にあります。
体は悟りを得るための「魂の乗物である」、 つまり「健全な肉体には健全な精神が宿る」という考えです。
古典時代以後のヨガは「古典時代から現代までのヨガ」を指しており、
この時期はヨガと その実践に関する数冊の書物によって特徴づけられています。
ヨガは、今では精神的なこと や経験的なことを調和させようとしています。
ここで考察すべきは、パタンジャリが提唱したヨガの定義と本質のあり方です。
「心の働き を止滅させるために、身体(肉体)・呼吸・心(精神)を結びつけることがなぜ必要だった のか」。
それは、本来の自己を取り戻すためです。
(5)現代ヨガの始まり(19〜29 世紀)
19〜20 世紀、現代ヨガ期の特徴は「何人かの有名なヨガマスター達とともに、ヨガが⻄洋に伝わった」ことです。
その中で最も有名なヨガマスターがスワーミー・ヴィヴェーカーナ ンダ(インドの国⺠的英雄・哲学者)です。
ヨガの新しい時代はここから始まったと言える でしょう。
彼は 1893 年アメリカシカゴで開催された「宗教会議」に出席し、全ての人に大 きな印象を与えました。
(6)日本のヨガの歴史、仏教とヨガの関係
大同元年(806 年)、ヨガは空海(弘法大使)によって「瑜伽(ゆが)」という名称で伝えられたとされています。
「瑜伽」は仏教におけるサンスクリット語の「yoga」の音写語です。
真言宗・ 天台宗の「護摩行」「阿字観」等も密教行法として、現在鎌倉にも伝わっています。
また、 真言宗の祖より派生された物と言われています。
座法の方法と言われる「調身、調息、調心(身体を整えて、呼吸を整えて、心を整える)」はヨガの基本訓練に含まれています。
また、座禅を含め、仏教が目指す「自分と世界の関係、 梵我一如(ぼんがいちにょ)」もヨガの世界観ですし、
阿吽の呼吸にある「阿吽」は「オーム(AUM)」から来ています。
オームとは「最初から最後まで」という「宇宙全体」を表した、インド人にとっ ての聖音です。
鎌倉時代になり中国から伝わったと言われる「座禅」も、ヨガより派生しました。
以上のように、ヨガは 5,000 年以上前に誕生してから各時代に応じて、衰退と発展を繰り返してきました。
歴史を学ぶことの重要性は、「先人たちの知恵をいかに現代社会に活かす か」にあります。
「偉人たちの失敗やそこから得た知恵、学び」を、「私たちの日常生活、社 会へ活用する」ことが大切です。
これにより、ヨガの本質でもある「人が心身の悲しみや、 苦しみから自由になる」ことへつながります。
ヨガの考え方を参考に生きることで、自分の 周りや社会、そして世界が平和で楽しくなる方法を考えていきましょう。
このセクションで学べること
①ウェルネスとは
②現代人の生活様式とヨガ
③診断と分析によるセルフケア
ウェルネスとは、「生活科学として、運動を適宜日常生活に取り入れながら、健康的に日々の暮らしを送ろう」という概念です。アメリカの医学者「ハルバート・ダン」が提唱しました。現代人の生活様式は、5,000年以上のヨガの歴史の中でも、とてもユニークなものとなっています。しかし、文化、生活、それをサポートする技術の急速な変化が、現代人の「肉体・精神の問題」を引き起こしています。いわゆる「現代病」です。一般的に、現代病は不眠症や胃潰瘍、胃酸過多、糖尿病、高血圧などの「生活習慣病」です。これらの原因は、不規則な食事やストレスの多い状況下での仕事、運動不足、休息不足です。
第1章で「ヨガとは何か?」を学びましたが、ヨガは「ストレスを軽減し、健康とウェルネスを高めるライフスタイル」へシフトする上で役立ちます。ヨガ行法の実践によって「自分というもの」、「人間という生き物」に対して様々な気づきを得ることができます。つまり、自分自身を「客観的に分析・診断する」スキルです。
この章では、「ヨガの種類」について理解を深めることを目的としています。具体的には5つの節に分けて解説します。
第1節 主要な6つのヨガの道
第2節 ラージャ・ヨガについて
第3節 ハタ・ヨガとシャット・クリヤー浄化法
第4節 ハタ・ヨガとプラーナヤーマ
第5節 代表的なプラーナヤーマ
古代インド文化の中でも特に重要な道(種類)が6つあります。
① ジュニャーナ・ヨガ(知識・智慧のヨガ)
② バクティー・ヨガ(信愛・献身愛のヨガ)
③ カルマ・ヨガ(無償の奉仕のヨガ、行動のヨガ)
④ ラージャ・ヨガ(心の統制のヨガ)
⑤ ハタ・ヨガ(対になる力を調和・結合ヨガ)
⑥ マントラ・ヨガ(真言・音のヨガ)
以上の6つの中から大きく分けると、2種類のヨガに分類することができます。
*ラージャ・ヨガ
*ハタ・ヨガ
また、①~④は古典時代のヨガと呼ばれ、バガヴァッド・ギータの文献の中では①~③が3つのヨガの道と言及されています。
(1)ジュニャーナ・ヨガ
ジュニャーナの意味は「知識」です。
そのため、ジュニャーナ・ヨガは「知識のヨガ」、「知識の道」と呼ばれています。
ヴェーダンタの道の特徴でもある不二一元論(アドヴァイタ) を主としています。
これは、ブラフマンのみが存在するという、梵我一如を徹底した考えで す。
ジュニャーナ・ヨガの特徴は、真の知識を追求していくことです。
哲学的なヨガとも言われています。
永遠なる物と永遠でないもの、実在ではないものと実在、を見分けることを通じて、自己実現の道を示しました。
そのため、「私とは一体何者か?」を非常に深く追求します。
この問いを「経典」、「理由」、「経験」を基に、理性的に自己の内面を分析することで 解脱に至り、
「真の知性・知識」に到達します。
(2)バクティー・ヨガ
バクティーの意味は、「神への無条件で熱烈な愛」です。
つまり、「信愛のヨガ」、帰依の道です。
その特徴は「聴く、唱える、想う」が中心の行法であることです。
インド版賛美歌の ようなイメージです。
また、その信愛をどこへ導くか、信愛する具体的な方法については何も教えていません。
これも大きな特徴の 1 つです。
信愛の表現に「キールタン」があります。
キールタンの意味は、「賞賛する、繰り返す、呼ぶ」 です。
その中でもマハー・マントラ(偉大な真言)をみんなで歌うことから、「歌う瞑想」 とも呼ばれています。
(3)カルマ・ヨガ
カルマの意味は「行動」、ヨガの意味は「結合」です。
つまり、カルマ・ヨガの意味は「行動を通しての結合」です。
「全ての行いには結果がある」という考えで、いわゆる「因果応 報」です。
しかし、その結果はいつ現れるかわかりません。
数分後、一日後に現れるかもし れません。来世に現れるかもしれません。
一度放たれた矢が途中で方向転換しないように、 一度行われた行いの結果は必ずどこかに現れます。
私たちには、いつ結果が訪れるかを決め る「決定権」がないため、結果がどうなるか、一喜一憂する必要はありません。
そのため、 カルマ・ヨガの特徴は「結果重視」ではなく「行動、経過」を重視する点です。
主に、外向 的で行動志向な人たちが選ぶ道とされています。
カルマ・ヨガの教えは、自分の利益や報酬 を考えないで、無欲に行動することによって心を浄化させます。
(4)ラージャ・ヨガ
ヒンドゥー語でラージャの意味は「王様」であることから、「王様のヨガ」と呼ばれています。
ラージャ・ヨガの目的は「心(科学的自己)の統制(制御・超越)」であり、その特徴 は、「瞑想が中心のヨガ」です。
つまり、あまり動きません。
そのため「これもヨガ?」と よく驚かれますが、良く考えると、王様は動き回りません。所以はそこにあります。
ラージャ・ヨガは、ヨガの様々な道のクライマックスとされています。
全てのヨガの最終 的なゴールは「健康な体を得て、さらに無心(ウンマニー)や無心の心の状態(マノーンマ ニー・アヴァスター)と
いった心を超越して、心ではない状態に達し、自己実現を体験すること」です。
つまり、「人生の悲しみや苦しみから自由になるため」に「真我独尊・真実の 自分になること(カイヴァリア)」を目指します。
(5)ハタ・ヨガ
ハタ・ヨガはタントラ・ヨガから誕生しました。
その意味は「対になる力の調和・結合」で、「存在の本質に気づくヨガ」です。
「ハ」は太陽、「タ」は月という意味で、陰陽それぞ れのエネルギー要素を合わせ持っています。
その特徴は、「体」重視のヨガの形態、つまり 「ポーズを取るヨガ」であることです。
現在、行われているヨガのほとんどがハタ・ヨガの 種類に入ります。
自分に合ったヨガマットを使い、素敵なヨガウェアを着てスタイリッシュ にヨガをするイメージです。
しかし、本来のハタ・ヨガは「ショーダナ・クリアー(浄化カルマ)」、
または「シャット・ クリアー(6 つのカルマ)」と呼ばれる「浄化法」の実践から始めます。
具体的には、鼻う がい、浣腸、内臓の動きをよくするナウリなどを行い、気の流れをよくするために身体の不 純物を排出します。
これに対し、パタンジャリのヨガ(ラージャ・ヨガ)は、八支則(アシ ュタンガ)の八部門からなる道を体系化しました。
1 つ目のヤマ(日常生活で行ってはいけ ない行為)と、2 つ目のニヤマ(日常生活で実践すべき行為)から始まります。
(6)マントラ・ヨガ
マントラの意味は「音」であることから、真言・音(マントラ)のヨガと呼ばれています。
また、「マン」は心、「トラ」は守る、を意味していて、「心を守るもの」を表しています。
その特徴は「マントラ=真言(神聖な音、祈りや歌のこと)」を唱えることです。
マントラ を唱えることで、心身に共鳴させ、心の乱れを整えていきます。
さらに、マントラを唱える ことで集中を高め、マインドを変革する効果もあります。
このマントラは「音」として表さ れ、心理的・精神的な力を持った神聖な言葉とも言われています。
最も認められた重要なマ ントラは「オーム(OM / AUM)」という音です。オームには、創造・維持・破壊という意 味があります。
以上 6 つの道が、古代インド文化の中でも特に重要でありました。
これらの他にも、ヨガ には数多くの種類がありますが、
大きく分類すると、「静的なラージャ・ヨガ」と「動的な ハタ・ヨガ」に分けられます。
目的・ゴールは一緒ですが、アプローチの仕方が異なること を理解してください。
ラージャ・ヨガが「王様のヨガ」と呼ばれることには理由があります。
それは、「あまり動かず、座って瞑想中心のヨガ」を行うからです。
ヨガの目的である、「人生の悲しみ、苦しみから自由になる」ために、
最終ゴール「真我独尊 / 真実の自分になること(カイヴァリヤ)」を目指します。
ラージャ・ヨガについての知識を深めるために、本節では3つの項目に分けて解説します。
① 八支則(アシュタンガ)の概要
② 伝統的ヨガにおける人間の構造
③ チャクラとは
(1)八支則(アシュタンガ)の概要
先述したように、ラージャ・ヨガの基本は 8 つの部門から成っています。
具体的に、八支則とは、悟り(サマディ)に達するための実践を 8 つの部門からなる道として体系化させたものです。
これは「古典ヨガ」、または「伝統的ヨガ」とも呼ばれています。
①ヤマ:日常生活で行ってはいけない行為
5 つの禁戒があり、社会的な禁止・遵守事項や倫理的価値が説かれています。
②ニヤマ:日常生活で実施すべき行為
5つの勧戒があり、自らが課した戒律のこと、勉学、清浄、寛容など個人的な遵守事項が 説かれています。
③アーサナ:坐法、ポーズ
身体の姿勢について説かれています。
④プラーナヤーマ:呼吸法・調気
呼吸の統制による生命力の制御が説かれています。
⑤プラティヤハーラ:感覚の統制・コントロール
瞑想のために感覚器官を対象から退かせることが説かれています。
⑥ダーラナ:集中すること
呼吸を意識して自分の感覚を内側に入れることが説かれています。
⑦ディヤーナ:瞑想
集中が深まった状態について説かれています。
⑧サマディ:三昧
精神が停止し、悟った状態。悟り、合一、感覚統制から集中、そして瞑想状態について説かれています。
(2)伝統的ヨガにおける人間の構造
ヨガの概念では、人の身体は 5 つの層である「コーシャ(鞘)」から成っていると考えられています。
簡単に説明すると、コーシャとは、刀を包む「鞘」のようなものです。
肉体が層 を作って真我である「プルシャ」、「アートマン(魂)」を包み隠しているものです。
そのた め、なかなか本来の自己を見つけることが難しいです。
存在の中心である「魂の層」に到達 するために、5 層のコーシャ(鞘)がどのようなものであるか、知ることが大切です。
コーシャ(鞘)はプラクリティ(物質)の5つ層で構成されています。外側から次のよう に覆われています。
1 アンナマヤ・コーシャ:食物からなる鞘
2 プラーナマヤ・コーシャ:生気からなる鞘
3 マノーマヤ・コーシャ:心からなる鞘
4 ヴィジュニャーナマヤ・コーシャ:知性からなる鞘
5 アーナンダマヤ・コーシャ:至福からなる鞘
*アンナマヤ・コーシャ食物からなる鞘
最も外側の物質的な枠組みで、最も粗大な層とされています。
その特徴は、パンチャブータ(五大元素)によって作られていることです。
また、アンナマヤ・コーシャは私たちが食べる「食物」によって養われていて、
クリアー、アーサナ、プラーナヤーマ をすると強化されます。
その構成要素は血、肉、骨、皮膚、毛髪などで、2 つの要素「食物 と酸素」に依存しています。
「自分は物質的な体に過ぎない」と考え、肉体という状態に執 着します。
*プラーナマヤ・コーシャ:生気からなる鞘
外側から 2 番目の層です。必須の生命エネルギーである「プラーナ」で構成されています。
その特徴は、全ての層に活力を与え、心理的、精神的な機能を動かすことです。
均一で調和 的なプラーナの流れが、このコーシャのあらゆる細胞を活性化し、健康な状態を保ちます。
ナーディという非常に微細な経路を通じて体全体にプラーナを運ぶことで、心理的、精神的 な機能を動かします。
プラーナヤーマの実践が、このコーシャを強くします。
*マノーマヤ・コーシャ:心からなる鞘
思考、気持ち、感情からなる鞘で、「心の鞘」と定義できます。
マノーマヤ・コーシャの特徴は、心の下位要素である
マナス(知覚・思考)、チッタ(記憶・精神)、アハンカーラ(自 我)の動きを司ることです。
心は世界と相互作用しているとき、その基底にある私(自我) に後押しされ、様々に興奮します。
例えば、好き・嫌い・愛・憎しみなどの、人間の感情です。
これらの感情が、人間の全ての喜び、悲しみの根本原因となります。
感情が強く出ると、 それに駆られて冷静な判断ができなくなり、間違った行動をとることがあります。
いわば、 倫理的・常識的に考える認識力が欠けた状態です。
客観的に識別できず、感情と欲望に支配 されて間違った行動をすると、アーディ(ストレス)というアンバランスが生じます。
プラ ーナヤーマとプラティヤハーラの実践により、このコーシャが養われます。
*ヴィジュニャーナマヤ・コーシャ:知性からなる鞘
この鞘は「知性の鞘」と言われています。ヴィジュニャーナは「知る」という意味です。
この鞘にはいくつもの働きがありますが、
その特徴は、洗練された高次のレベルの思考や直 感が働き始める「知恵の領域」であることです。
人にしかないのはブッディ(識別力・知性) です。それがない人は動物と同じです。
ブッディはヴィジュニャーナマヤ・コーシャに即する高度な機能であり、
基本的な本能を制御できるようにマノーマヤ・コーシャを導いています。
善と悪、正しいことと間違ったこと、有益・無益なことを見分けられるように人を導く 機能です。
また、アンバランスは3つ目のマノーマヤ・コーシャから始まるとされ、
ディヤ ーナ(瞑想)の実践によってヴィジュニャーナマヤ・コーシャが養われます。
*アーナンダマヤ・コーシャ:至福からなる鞘
アーナンダマヤ・コーシャは、純粋な意識に最も近い「至福の鞘」と呼ばれています。
「真の自己」に最も近く、最も内側にあるのはこの層です。
その特徴は、各コーシャの中でも最 も微細で進化した段階にあり、真の自己・魂(アートマン)を完璧に表していることです。
精神性がこの層を統治していて、身体、心、知性を超越すると至福に至ります。
この段階に いるヨギーは、絶対的な平和、喜び、そして愛を経験します。
この鞘では、人は最も健康的 で他の機能との完全な調和とバランスを保っています。
ディヤーナ(瞑想)がアーナンダマ ヤ・コーシャに通じています。
以上のように、伝統的ヨガにおける人間の構造は 5 つのコーシャで構成されています。
自己認識の科学であるヨガのゴールは、アートマン(自我・魂)を直接経験し、認識すること です。
アートマンは偏在し、全知全能で、意識や形、名前、そして時も超越します。
その本 質を表すことは不可能です。なぜなら、「悟り」は絶対的な体感であるからです。
自分自身 の中にある真実を認識しようとするヨギーはコーシャを常に研究・探求し、進化します。
(3)チャクラとは
サンスクリット語で「チャクラ」は「車輪」「円」を意味し、ヨガでは「渦」、「渦巻」、「中心・センター」と表現します。
つまり、「プラーナ・エネルギーの渦」です。
チャクラを物理的、または心理的に刺激すると人間の精神的潜在力が目覚めて、
「本当の自分・自己」へ の洞察が得られるようになります。
また、人間の体には 6 つのチャクラがあります。
1 ムーラダーラ・チャクラ:会陰
2 スヴァディシュターナ・チャクラ:ムーラダーラチャクラのすぐ上の生殖器
3 マニプーラ・チャクラ:おへその背後
4 アナーハタ・チャクラ:胸の真ん中
5 ヴィシュッダ・チャクラ:喉
6 アージニャ・チャクラ:眉間の奥、脳内の延髄
しかし、実際には 8 つあると言われています。
残り 2 つはそれぞれ、
*ララナー・チャクラ
*サハスラーラ・チャクラ:頭頂部
です。
以上のように、ラージャ・ヨガの最終ゴールである
「真我独尊、真実の自分になること(カイヴァリヤ)」へ達するためには、
八支則(アシュタンガ)・人間の構造(5 つのコーシャ)・ チャクラが関係しています。
この節ではハタ・ヨガとシャット・クリヤー浄化法について、2つの項目に分けて解説します。
① ハタ・ヨガとフィットネス
② シャット・クリヤー浄化法の目的と効果
(1)ハタ・ヨガとフィットネス
ハタ・ヨガには四大教本があります。
1 ハタ・ヨガ・プラディーピガー:15~16 世紀
2 ゲーランダ・サンヒター:17 世紀
3 ハタ・ラトナヴァリー:17 世紀
4 シヴァ・サンヒター:18 世紀
「ポーズ」が中心のハタ・ヨガですが、
5,000 年以上のヨガの歴史の中で言うと「ポーズ 中心のヨガ」は最近のものです。
20 世紀になると、ハタ・ヨガの伝統を受け継ぎながらよりポーズ中心の
アイアンガー・ヨガ、アシュタンガ・ヨガ、パワー・ヨガ、ホット・ヨガ、 ビクラム・ヨガなど、様々な流派が誕生しました。
これらはエクササイズの要素が強く、汗 をかいて「痩せるために」、
「綺麗になるために」を目的とした「見た目重視のヨガ」と誤解 されやすいです。
また、アメリカのセレブが行っていることから、20 世紀後半に欧米で大 衆的な人気を得ました。
「おしゃれなヨガ」と言う印象も強く、本来の目的から少し離れた 「健康・フィットネス」がその目的にあります。
しかし、本来のハタ・ヨガのポーズは、より高いレベルの瞑想が出来るための準備段階として、
体を鍛練し浄化するために行われま す。
いずれのヨガを実践するにしても、本来のハタ・ヨガの目的をきちんと理解しておくこ とが大切です。
(2)シャット・クリヤー浄化法の目的と効果
ハタ・ヨガ四大教本の 1 つ、「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」中にシャット・クリヤーについての記述があります。
サンスクリット語で「シャット」は数字の「6」、クリヤーは「行 為・業」を意味します。
つまり、「6 つの浄化法」です。
シャット・クリヤーの目的は、内臓 からの排出が難しい老廃物を体から出し、浄化することです。
具体的には、イダー、ピンガ ラーと呼ばれる主要な気の通り道(ナーディ)の中を、
プラーナ(エネルギー・気)が滞り なく流れるようにすることを目指します。
シャット・クリヤーの効果としては、いくつか挙げられます。
*ヨガの実践の前に行うことで体内の毒素を排除する
*体をよりよい状態にして精神性を高める
*身体と心を浄化することで、その後のヨガがさらに効果的になる
*トリ・ドーシャのバランスを整える
また、シャット・クリヤーには 6 種類あります。
1 ネティー
2 ダウティ
3 ナウリ
4 カパラバティ
5 バスティ
6 トラータカ
*ネーティー:鼻の洗浄法
代表的な技法は 2 つあります。
・「ジャラ・ネティー」
・「スートラ・ネティー」
<やり方>
「ジャラ・ネティー」では、塩水で鼻を洗います。
気道に塩水が残ることがあるので、カパラバティを行って塩水を取り除くように注意します。
「スートラ・ネティー」では、ひもを使って鼻を洗います。
牛乳やギーを使うこともありますが、基本的には約 15 センチの、滑りのよいひもを鼻孔から入れ、
先端を口から出すこ とで浄化します。
<効果>
・カパーラ(脳)が浄化され、神のような視力が得られる
・遠くを見ることが出来るようになる
・頚部や肩周辺の、全ての病気が治る
*ダウティ:胃までの消化管の浄化法
一般的に、技法は3つあります。
・「ヴァマナ・ダウティ」
・「ダンダ・ダウティ」
・「ヴァストラ・ダウティ」
<やり方>
「ヴァマナ・ダウティ」では、水を使います。
この時のポイントは、体内環境と合うように塩水の濃度と温度を調整することです。
「ダンダ・ダウティ」では、ゴムチューブを使います。
「ヴァストラ(布)・ダウティ(クレンジング)」では、布を使います。
幅約 7 センチ、⻑さ約 7 メートルもある布をお湯で湿らせ、口から胃に達するまで飲み込みます。
最後に、そ の布をゆっくり引き出すことで胃までの消化管を浄化します。
<効果>
・咳、喘息、脾臓の肥大、ハンセン病を含む「粘液」が原因となる 20 種類ほどの症状に効果的
*ナウリ:腹部のマッサージ
ナウリは「ハタ・ヨガの最高の運動」と言われています。
その種類は 4 つあり、それぞれのナウリの違いは腸の動かし方にあります。
・「ヴァマナウリ」:腸を左側に寄せる
・「マディヤナウリ」:腸を真ん中に寄せる
・「ダクシナーナウリ」:腸を右側に寄せる
・「ナウリ・チャラナ」:腸を回転させる
<やり方>
踵を上げ、つま先立ちで地面に座り、前屈した姿勢になります。
そして、嘔吐するときのように腹部を左右に素早く、力強く動かすことで腹部をマッサージします。
<効果>
・食欲増加と消化促進
・消化不良の解消
・全ての病気を治す
*カパラバティ:呼吸法による脳の前頭葉と肺の浄化
「火の呼吸法」とも呼ばれています。
<やり方>
呼気と吸気を力強く、素早く行います。
呼気と、吸気の両方が力強く早く行われる「バストリカ呼吸法」と似ているので、混同しないようにしてください。
<効果>
・カパ(脳)が関係する 20 種類の病気を治す
*バスティ:結腸の浄化(浣腸)
バスティには 2 つの技法があります。
・「ジャラ・バスティ」
・「スタラ・バスティ」
<やり方>
「ジャラ・バスティ」では、水を使います。
まず、おへそまでの深さの水の中に、ウトゥカタ・アーサナ(椅子のポーズ)で座ります。
次に、⻑さ 15 センチ、直径 1.3 センチのパ イプを肛門の中に差し、肛門の筋肉を引き締めることで、
肛門から水を吸い込み肛門の中を 洗浄します。
「スタラ・バスティ」では、空気を使います。
<効果>
・疝痛、脾臓の拡大の緩和
・ヴァータ、ピッタ、カパのアンバランスを整える
・水腫などの病気を緩和
*トラータカ:目の浄化と強化
トラータカには 2 つの技法があります。
・「アンタラ・トラータカ」
・「バヒャ・トラータカ」
<やり方>
「アンタラ・トラータカ」では、目を閉じて体の内部に集中します。
「バヒャ・トラータカ」では、ろうそくの炎、太陽、月など、外側の対象を目が涙で満ちるまで見つめることで目を浄化・強化します。
<効果>
・目の病気を治す
・怠惰等の状態を緩和
以上のように、「ポーズを取る」ハタ・ヨガは時代の変遷に連れて、
「健康・フィットネス」 を目的としたヨガとして理解されるようになりました。
しかし、本来のハタ・ヨガのポーズ が高いレベルの瞑想への準備段階として体を鍛練し、
浄化するために行われることを忘れてはなりません。
また、シャット・クリヤーと呼ばれる「6 つの浄化法」によって内臓の浄 化を行うことも、
ハタ・ヨガの特徴であることをきちんと理解しておきましょう。
この節では、プラーナヤーマについての理解を深めるために、3つの項目に分けて解説します。
① プラーナヤーマについて
② プラーナヤーマの実践方法とクンバカの種類
③ プラーナヤーマ実践時の注意点
(1)プラーナヤーマについて
ヨガにとって、呼吸(プラーナヤーマ)は一番大事なポイントです。
「意識的に呼吸」をすることで、身体、心、知性を浄化します。
また、呼吸はあらゆる動物の誕生時に始まり、臨 終時に止まる生命維持機能です。
プラーナは「生命エネルギー」、アーヤマは「統制(広げ る/拡大する)」を意味し、「生命力の統制」がその目的です。
プラーナヤーマには2種類あります。
1 アガルバ(マントラや祈りを唱えずに行う)
2 サガルバ(マントラや祈りを唱えながら行う)
プラーナヤーマの効果としては、以下のものが挙げられます。
・血圧の安定、冷え性改善
・肩こりの改善、不眠症改善
・ストレス軽減、皮膚温度の安定
・脳波・脈拍の安定
・病気の排除、不純物の浄化 など
(2)プラーナヤーマの実践方法とクンバカの種類
代表的なプラーナヤーマの実践方法には、2種類あります。
1 呼吸を重視した実践法
2 呼気、吸気、クンバカを重視した実践法
*呼吸を重視した実践法:パタンジャリの「ヨーガ・スートラ」において重視されています。
*呼気、吸気、クンバカを重視した実践法:スヴァートマーラーマの「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」において重視されています。
クンバカとは、「止息」、「息を止めること」です。
「ハタ・ヨガ・プラディーピカー」の中 では、プラーナヤーマに代わる 8 種類のクンバカについて述べています。
1 スーリヤ・ベーダナ
2 バストリカ
3 ウジャイ
4 シータリー
5 シートカリー
6 ブラーマリー
7 プラーヴィニー
8 ムールッチャー
(3)プラーナヤーマ実践時の注意点
プラーナヤーマ実践時の基本は、「心を完全に呼吸に向けて、出来るだけゆっくり呼吸すること」です。
それを踏まえた上で、5 つの注意点があります。
1 アーサナの実践を基盤にして効果的に行い、背筋を伸ばすこと
2 特別な指示がない限り、鼻呼吸を繰り返すこと
3 緊張せず、リラックスして行うこと
肺はデリケートな器官であるので、無理せずに呼吸すること
4 食後すぐに行わないこと
食事との間には 3 時間とり、トイレを済ませておくこと
服装は緩くて、締めつけのないものを着用すること
5 徐々に回数を増やしていくこと
無理して⻑く呼吸を止めないこと
以上のように、ハタ・ヨガにおいてプラーナヤーマは一番大切なポイントです。
呼吸、ク ンバカを重視した実践法やその注意点を理解して「意識的に呼吸」をすることで、
身体・心・ 知性を浄化し、「生命力の統制」を目指します。
この節では、代表的な5つのプラーナヤーマを解説します。
① ナーディ・ショーダナ(片鼻呼吸)
② ウジャイ呼吸
③ シータリー呼吸
④ バストリカ呼吸
⑤ カパラバティ呼吸
(1)ナーディ・ショーダナ(片鼻呼吸)
「片鼻で息を吸い、もう片方の鼻から息を吐く」を交互に行う呼吸法です。
<方法>
(1)右の親指で右の鼻孔を閉じ、左の鼻孔から息を吸います。
(2)次に、薬指で左の鼻孔を閉じ、右の鼻孔から息を吐きます。
(3)右の鼻孔で深く息を吸い、右の鼻孔を閉じ左の鼻孔で深く吐きます。
(4)これを数回繰り返します。
(5)最後は手を離し、両方からゆっくり息を吸い、吐きます。
(2)ウジャイ呼吸
ウジャイ呼吸では、肺を十分に拡張し、胸を堂々とした「勝利者」のようにふくらませます。
横隔膜の屈曲を目的とする呼吸を伴います。
<方法>
(1)楽な姿勢でまっすぐ座ります。
(2)ウジャイは吸気と呼気の両方で声門を部分的に閉じて行います。
(3)喉の部分を僅かに締めて行います。
(4)シューという音、ささやく音を発生しながら、両鼻孔でゆっくりと深く息を吸います。
(5) 肺を最大容量まで空気で満たします。
(6) もう一度同じ音を発生させながら、ゆっくり、深く、しっかりと肺が完全に空になるまで息を吐きます。
(7)数回繰り返します。
(3)シータリー呼吸
ヨガでは「鼻から吸って鼻から吐く」が基本ですが、シータリー呼吸では「口から吸って鼻から吐く呼吸」を 行います。
「シータリー」はサンスクリット語で 「冷やすこと」を意味します。
<方法>
(1)口先で舌を巻き、口で息を吸い始めます。
(2)吸気の後、口を閉じ、鼻孔からゆっくり息を吐きます。
(3)これを数回繰り返します。
〜シートカリー呼吸〜
この呼吸は、熱く辛い香辛料入りのものを食べるとき、口内に分泌される唾液に似ています。
<方法>
(1)⻭の上方または下方部位に舌を固定します。
(2) シーと音を発生させ、口でゆっくり息を吸います。
(3) 吸気の後、口を閉じて鼻から息を吐きます。
(4) これを数回繰り返します。
(4)バストリカ呼吸
サンスクリット語で、バストリカは「フイゴ」を意味します。
勢いよく、鼻から「フッ」と息を吸い、勢いよく鼻から「フッ」と吐く呼吸法です。
十分な吸気と呼気がなされ、体は 最大限の酸素を得ることができます。
(※バストリカ・プラーナヤーマでは、吸う息と吐く 息の両方で力を入れなければいけません。
吸気と呼気、それぞれにどの程度の力を入れるか は自分で決めます。自分の健康と忍耐力を念頭に入れて行ってください。)
<方法>
(1)両鼻孔で深い呼吸をし、肺を空気で満たします。
(2)いっぱいに息を吸った後、大きな力で素早く「シューっ」という音を出すようにして息を吐きます。
(3)深く息を吸い、完全に吐きます。
(4)徐々に、吸気と呼気の速度を早くしていきます。
(5)最後はゆっくりと深く息を吸い、深く息を吐きます。
(5)カパラバティ呼吸
鼻から「フッフッフ」と力強く、早いテンポで息を吐いて行います。
脳の前頭葉と肺の浄化を促す呼吸法です。カパラバティは最も有名なバストリカの実践です。
その背景には、伝 統的なバストリカ・プラーナヤーマに二つの段階があることが挙げられます。
その段階と は、浄化法の中のカパラバティと、呼吸法であるプラーナヤーマです。
カパラバティとプラ ーナヤーマにはいくつかの変化形があり、それらからバストリカの変化形がいくつか生み 出されました。
<方法>
(1)鼻からゆっくり息を吸い、勢いよくフッと吐きます。
(2)このとき、同時にお腹にも力を入れ、お腹を凹まします。
(3)自然に鼻から息を吸います。
(4)また、お腹に力を入れて勢いよく、鼻からフッと、吐きます。
(5)テンポよく、フッフッフと繰り返します。
(6)数回繰り返します。
(7)最後はゆっくりと深く息を吸い、深く息を吐きます。
この章では、「ヨガ・アーサナの技法と体の関係」についての理解を深めることを目的としています。
具体的には5つの節に分けて、解説します。
第1節 ヨガ・アーサナと運動の違い
第2節 ヨガによる体の変化
第3節 アーサナの体の仕組み
第4節 アーサナを始める前の準備運動
第5節 基本アーサナ
アーサナはヨガの運動である、と言われることが多くあります。
しかし、実際は、ヨガの運動とサッカーや野球などの一般的なスポーツとの間には違いがあります。
そこで、ヨガの技法とその利点、注意点を2つの項目に分けて解説します。
① ヨガ・アーサナと運動の違い
② アーサナを行うための注意点
(1)ヨガ・アーサナと運動の違い
ここでは、ヨガの原則、体と心の使い方、ヨガのポーズと運動の違いを「13 の観点」で比較していきます
(1)ヨガ・アーサナと運動の違い
ここでは、ヨガの原則、体と心の使い方、ヨガのポーズと運動の違いを「13 の観点」で比較していきます
ヨガ・アーサナを行うための一般的な注意点を5つご紹介します。
1. ヨガをする前:便や尿が溜まっている時は避けましょう。その他の時はいつでもできます。
2. ヨガをする場所:換気のよい所での実施がおすすめです。
3. ヨガをする時の思考:ヨガを行っている間は、雑念を思い浮かべないようにします。
4. ヨガをする時の体の状態:病気の時や手術、骨折、捻挫の後のヨガ実施は控えましょう。再開する時は、必ず医師に
相談してからにしてください。
5. ヨガをする時間 ヨガは時間がかかりすぎると思う方もいるようですが、そんな事はありません。実際には10 分ほどの短いヨガでも、その効果は得られます。
以上のように、ヨガ・アーサナと一般的な運動にはその効果や特徴、生理学的・解剖学的 になど、数多くの違いがあります。
それらの違いだけでなく、アーサナを行うための注意点 も一緒に理解することで、ヨガの技法とその利点について知識を深めてください。
基本的に、ヨガは予防的な要素が強い修養法(トレーニング)と言われています。
特に、ハタ・ヨガのアーサナの実践を規則的に行うと、治療的な効果や、特定の病気、症状を緩和する手助けにもなります。
また、アーサナを行うと、身体、呼吸、心を連携させて、
外側の世界に向かっている自分の意識を内側の世界に向けさせる効果があります。
それによって、自分の心の傾向や、物事の善悪を判断しない「想念」を持ち、
自分の反応を客観視することで、状況に応じて適切な対応が出来るようになるために効果的です。
つまり、「どんな状況においてもブレない精神・心・考え方」を養うことができます。
さらに、ハタ・ヨガの目的は「精神的な成⻑を促すこと」です。
その方法は2種類あります。
1 体に流れるエネルギーを自由にすること
2 人間の中で対立する面のバランスを整えること
ハタ・ヨガにおいて、2 つの「対立する面」というのは、
全ての人が持っている「陽」と「陰」の要素であると考えられています。
「ハ」は太陽のような熱い活動的なエネルギー、 「タ」は月のような涼しい受容的なエネルギーを表しています。
いわゆる、「太陽と月」です。
この 2 つの対立する面のバランスを整えることで、体のエネルギーの経絡を開きます。
その主な経絡は「クンダリーニ・シャクティ」と言います。
神聖なエネルギーであり、「背 骨」の基底に位置しています。
体の中のエネルギーが自由に流れることにより、精神的な目覚めを引き出し、「ハ」・「タ」のバランスを調整します。
アーサナ(ポーズ)を取ることに重点を置くハタ・ヨガでは、身体を整え、変化に気づくために
骨格、筋系などの「体の仕組み」をきちんと学ぶ必要があります。
なぜなら、それらを理解していないと怪我をする恐れがあるからです。
この節では、3つの項目に分けて、「アーサナの体の仕組み」を解説していきます。
① 器官系について
② 10系統の人体器官
③ 関節の動きと柔軟性
(1) 器官系について
まずは、自分自身の体を理解することから始めます。
植物、動物、恐⻯などの辞典をお持ちの方は多いですが、人体辞典をお持ちの方は意外に少ないのではないでしょうか。
先述し たように、アーサナを取ることに重点を置くハタ・ヨガでは、
身体を整え、変化に気づくた めに、自分とその内面の構造や働き方を知る必要があります。
人体とは、様々な器官の集合体です。
特定の機能を実行するために進化した細胞があり、それぞれの細胞は他の細胞とは 別になってグループをつくりました。
それを「組織」と呼びます。
種々の「組織」が一緒に なって、色々な「器官」ができます。
これらの「器官」から体のたくさんの「器官系」がつくられ、その働きが全て集まって一般に「体の働き」と呼ばれます。
そのため、体の働きが、 体を作っている全ての細胞の働きの集まりであると理解することができます。
1つ1つの 細胞が適切に働いていることが体の生存にとても大切です。
また、器官系を大きく分類する と、10 系統あります。
1 骨格系
2 運動・筋系
3 神経系
4 内分泌器系
5 呼吸器系
6 循環器・心臓系
7 消化器系
8 排出・泌尿器系
9 感覚器系
10 生殖器官
(1)骨格系
筋肉系とともに、動きを司る主要な器官系。
その働きは、体支持、器官保護、筋肉と共同作用、 骨髄では血球生成です。
骨格系は骨、靭帯、腱からなっています。
上腕骨・大腿骨・脊柱の骨・頭蓋の骨など、 全身の 200~206 個の骨がつながって身体を支え、
筋肉系と一緒に働いて、体の動きを助けています。
また、骨の中には柔らかい脂肪組織からなる骨髄があり、臓器の保護、造血作用を営むなどの働きをしています。
骨髄では、白血球などの免疫系の細胞や、赤血球が作られています。
(2)運動・筋系
骨格系とともに、動きを司る主要な器官系。
その働きは、運動です。
筋肉には、「随意筋」と「不随意筋」があります。
「随意筋」とは、手足に付いてる筋肉で、 動かしたいと思った時に動かすことができる筋肉です。
「不随意筋」は、胃や心臓や、腸にある、 自分の意思で動かすことの出来ない筋肉です。
(3)神経系
神経系は主として、体全体の組織的な機能や制御に関係しています。
その働きは、刺激の伝達と調節作用です。
体全体から神経インパルスを受け取り、 それを処理し、体全体に神経インパルスを送り出します。
この器官系は脳、脊髄、脳神経、脊髄神経などから 成り立って、その種類は3つあります。
*中枢神経系
*末梢神経系
*自律神経系
(4)内分泌器系
内分泌器系は主として、体全体の組織的な機能や、制御に関係しています。
その働きは、ホルモンによる調節作用です。
下垂体、甲状腺、副腎など、分泌物を運ぶ導管がなく、 血液中に化学物質であるホルモンを生産する器官系です。
この系は、体の⻑距離メッセンジャーである ホルモンを分泌する様々な腺から成っています。
ホルモンは新陳代謝、成⻑、性的発育などの 体の機能を制御する化学物質です。
脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、胸腺、 松果体、膵臓、卵巣、精巣などは、ホルモンを血液中に直接的に放出します。
そのホルモンは、血流によって体中の器官や、組織に運ばれていきます。
(5)呼吸器系
体全体に酸素や栄養素を届ける働きをしています。
つまり、酸素と二酸化炭素の交換です。
鼻、喉頭、気管などは空気に温度と湿度を与え、 肺はガス交換を行い、喉頭は発声の作用をします。
呼吸器系は体に酸素を取り入れ、体から二酸化炭素を排出します。
私たちが酸素を吸い込むと、酸素は鼻と口から気管を通って体の中に入っていきます。
気管は左右の気管支に分かれて肺の中に入ります。
左右の主気管支はさらに細かく枝分かれして、 細気管支となり、その先端には空気が入る袋状の肺胞が付いています。
酸素はこの道筋を進んでいって肺胞に達し、そこで血管壁を通って血流に入ります。
それと同時に、二酸化炭素が肺の中に入って体の外に排出されます。
(6)循環器・心臓系
循環器・心臓系は、体全体に酸素や、栄養素を届ける働きをしています。
簡単に述べると、 体液である「血液」と「リンパ液」の循環です。
心臓、動脈、静脈、リンパ管などに関与する器官系です。
循環器系という名前でも知られている心臓系は、 体の輸送システムです。
心臓系は体全体に 血液を届ける複数の器官からなっています。
心臓が血液を送り出し、動脈と静脈がそれを運びます。
酸素を多く含んだ血液は心臓の左側から出て、体の中で最大の動脈である大動脈に入ります。
大動脈は細かい動脈に枝分かれし、 それからさらに細い血管に分かれて体の中に入ります。
血液が体の組織の中の細い血管である毛細血管に入ると、
血液は体の細胞に栄養素と酸素を与え、 二酸化炭素や老廃物を受け取ります。
血液は酸素と栄養素を細胞に与えると、 静脈を通って心臓に戻っていきます。
静脈は細胞から老廃物を取り除いて、 血液を心臓に戻します。
心臓はその血液を肺に送り出します。 肺では酸素が取り込まれ二酸化炭素が排出されます。
(6)循環器・心臓系
心臓は四つの部屋からできています。
*右心房(右上)
*右心室(右下)
*左心房(左上)
*左心室(左下)
右心房は、全身に酸素を供給し終えた血液が大静脈から戻ってくるところです。
そして右 心房から三尖弁を通って右心室に入り、肺動脈を通って肺へ送られます(肺静血)。
肺で酸 素を取り入れた血液は、肺静脈より左心房へ戻ってきます。
左心房に戻った血液は僧帽弁を 通って左心室に入り、
大動脈を通って全身に張り巡らされた動脈が体の隅々まで送ります (動脈血)。
(7)消化器系
消化器系は、口から肛門まで続く器官です。
栄養素を体に取り入れ、不要物を体から排出する働きをしています。
いわゆる、食物の消化と吸収です。
口、食道、胃、腸、肝臓、脾臓などの臓器は 食べ物を咀嚼すると、栄養分などを吸収し、消化酵素を分泌する働きをします。
この系は、食物を分解して体のエネルギー・成⻑・ 修復に必要なタンパク質・ビタミン・
ミネラル・脂肪・炭水化物などを得るための、 複数の器官から成っています。
食物は口から噛んで飲み込まれた後、食道を通って胃に入り ます。
分解された食物は、小腸にある絨毛と呼ばれる小さな突起から血液の中に入ります。
体が必要としない、あるいは消化できない残りの食物は体の外に排出されます。
(8)排出・泌尿器系
排出・泌尿器系は、栄養素を体に取り入れ、恒常性によって作り出された不用物を処理して体から排出する働きがあります。
つまり、水と老廃物の排出です。
腎臓、尿管、膀胱、尿道などで尿を産出、排出する器官で、
このプロセスには、汗腺、肝臓、肺、腎臓など、体の多くの部分が関わっています。
(9)感覚器系
感覚器系は、目や耳、鼻、皮膚など、感覚に関与する器官。
その働きは、刺激の受容です。
身体の内外で起きる状況の変化を 刺激として感受して、神経系に伝えます。
感覚神経の終末が数多く集まって、 受容器を形成しています。
この系は、視覚器官・聴覚器官・嗅覚器官・味覚器官・皮膚視覚器、平衡聴覚器、一般感 覚器などに分けられます。
一般感覚には、触覚、痛覚などの皮膚感覚と、筋肉、腱、関節な どの身体内部から起きる刺激を感じる深部感覚があります。
広くは筋紡錐体も含む横紋筋 の内部にあって、筋肉の収縮状態を感受する器官です。
普通の横紋筋繊維よりも、はるかに 細かく枝分かれした感覚神経繊維の末端が入り込みます。
骨格筋の伸⻑につれて錘内筋繊 維が伸びると、この神経末端が興奮してインパルスを発します
(10)生殖器官
生殖器官は、種を繁殖させる役割を担っています。
具体的に、その働きは生殖細胞の作成と増殖作用です。
精巣、卵巣、子宮、外性器などは 性細胞の産出、受精および受胎に関与します。
人間は子供を作ります。
男性の精液に含まれる精子は女性の子宮頸部から入り、 卵巣の中で卵子と出会い受精が起こります。
受精した卵子は卵管から子宮に入り、 そこで胎児となり 9 ヶ月余りにわたって育ちます。
(3)関節の動きと柔軟性
関節の動きを理解することは、ヨガを学ぶ上で有益です。
なぜなら、生活を健康で正常に保つために関節の基本的な運動が欠かせないからです。
人体には動きや潤滑さを必要とする様々な関節があります。
滑液は日々の食事を通して供 給され、関節の動きはヨガや他の活動で養われます。
関節は日々の生活ではほとんど使用さ れなかったり、逆に酷使されたりすることにより、
その後の生活面に問題を生み出す可能性 があります。
ヨガの実践は滑液を一切変化させませんが、体全体の滑液の動きを助け、全身の滑液の循 環を補助します。
これにより、関節をしなやかに、健康に、さらに強くします。
細胞の周囲 の空間には動脈流やリンパ液流がありますが、ヨガの実践により体内で血液が循環し、
代謝副産物が浄化されるよう促され、血液への栄養分や酸素の補充が助けられます。
ヨガの実践 は、医薬の代用物ではありませんが、心身の両方を全体的に改善するために役立ちます。
(3)関節の動きと柔軟性
一方で、先述したように、関節はとても容易に損傷する弱点もあります。
そのため、関節 の損傷を防ぎ、損傷を治療するためにもヨガの実践の効果を理解することが重要です。
ヨガ を規則的に実践することで、柔軟性と筋緊張(筋の伸張に対する受動的抵抗、または筋に備 わっている張力)が改善されます。
これにより、スポーツをしている間も、確実に関節が滑らかに、正しく働くようになります。
さらに、アーサナは靭帯、腱、筋肉を伸ばします。
アーサナの実践により、靭帯、腱、筋 肉の強化とストレッチ、両方のバランスを維持することができます。
ヨガを生活の一部にす ることで、軟骨は関節の悪化を防ぎ、骨関節炎のような症状の予防ができます。
ヨガを繰り 返し実践し、関節を圧迫することで、軟骨中の栄養分や血液を圧縮します。
これは関節の健 全化にもつながります。
以上のように、アーサナを取ることに重点を置くハタ・ヨガでは、
身体を整え、変化に気 づき、そしてアーサナがどの部位に働くか、「体の仕組み」をしっかりと理解することが大切です。
そして、ヨガの実践を日常生活に取り入れることで、筋肉・関節の柔軟性が向上し、
苦痛や悲しみから自由になることへとつながります。
この節では、「アーサナを始める前の準備運動(スークシュマ・ヴィヤヤーマ)」を3つの項目に分けて解説します。
① スークシュマ・ヴィヤヤーマについて
② スークシュマ・ヴィヤヤーマの効果と構成要素
③ スークシュマ・ヴィヤヤーマの実践
(1)スークシュマ・ヴィヤヤーマについて
スークシュマ・ヴィヤヤーマとは、「体の微細な運動」という意味で、ヨガ最古の原理とも言われています。
また、この準備運動は世界で最も重要で、美しいとされています。
その理由は、体の全ての部分、全ての筋肉、関節、臓器に、相互に影響を及ぼし合う要素をもつエクササイズであるからです。
その特徴は、呼吸を伴う身体運動体系で、体の全関節を順番に 動かし、ウォーミングアップを行うことです。
この体系は、人体活力の優れた浄化効果を持ちます。
また、スークシュマ・ヴィヤヤーマを最初に考案し、普及・発展させたのはマハリシ・カ ーティケイヤジ・マハラジです。
その技法を受け継いだスワーミー・ディレーンドラ・ブラ フマチャリアが近代世界に普及させました。
さらに、「シヴァ・サンヒター」や、「ハタ・ヨ ガ・プラディーピカー」などに規定された元の形式に沿って、
現代のヨギーによって実践されてきました。
(2)スークシュマ・ヴィヤヤーマの効果と構成要素
スークシュマ・ヴィヤヤーマは、病気や種々の問題を持つ人々を非常に直接的・即効的に治し、予防します。
そして、肉体器官や種々の組織の強化、エネルギー(活力)を改善し、高めます。
スークシュマ・ヴィヤヤーマの効果としては、いくつか挙げられます。
・ストレス解消
・自分自身でプラーナの動きのメカニズムを理解できるようになる
・クリアー、アーサナ、プラーナヤーマの助けを得ることなく、病気や種々の問題を持つ人々を治し、予防することが可能
・他の生活面の制約せずに、予防と治療、両方の問題への対処ができる可能性
・肉体器官や種々の組織の強化、エネルギー(活力)を改善し、高める
・体を柔軟にし、アーサナの準備としても有効
さらに、スークシュマ・ヴィヤヤーマの重要な構成要素の特徴として、3つ挙げられます。
*呼吸
*集中するポイント
*動きのある運動
*呼吸
ヨガでは主に、鼻から呼吸を行いますが、口から行うものもあります。
また、呼吸にはいくつかの種類があります。
・とても深い呼吸
・とても小さい呼吸
・とても速い呼吸
*集中するポイント 集中するポイントは 6 つあります。
・できれば、朝と夕1日に 2 度、または1日に 1 度朝に行うこと
・水が冷たい場合は入浴後、水が温かい場合は入浴前、どちらかに行うこと
・食べ物の種類に関わらず、食事前に行うこと
・快適な床(足場)で行うこと
・室内、または戶外どちらにおいても実行できること
・精神面と肉体面において、様々な特性の能力や才能を高い水準に発達させること
*動きのある運動
スークシュマ・ヴィヤヤーマの素晴らしい特徴は、1 人でも実践でき、
1 時間 30 分~2 時間で、全身のトレーニングになることです。
ヨガに対するトラウマや恐れを軽減する簡単な 準備運動のため、老若男女どなたでも実践できます。
また、アーサナの実践ができない健康状態の時は、
スークシュマ・ヴィヤヤーマの規則的な実践によって、病気の回復、克服を助けます。
さらに、初心者の方や経験豊かなヨギーにとっても有益であり、
繰り返し行うことでより高度な実施の前準備としてもレベルアップしていきます。
(3)スークシュマ・ヴィヤヤーマの実践
準備運動の実践方法について、定型の運動やその複数の組み合わせがあります。
決められた部位への精神集中を行いながら、決められたポーズをとり、決められた種類の呼吸を行います。
そのため、頭から始めてつま先まで実施する、以下の通りに進めます。
1 首
2 肩、肘、手首、腕、指、指先
3 胴
4 股関節
5 膝、足首、脚、つま先
以上のように、スークシュマ・ヴィヤヤーマは世界で最も重要で美しいとされるヨガの最 古の原理です。
体の全ての部分、全ての筋肉、関節、臓器に、相互に影響を及ぼし合う要素 をもつエクササイズでもあります。
そして、規則的な実践によって、病気や種々の問題を持つ人々を治療し、予防することもできます。
この節では、ハタ・ヨガにおける基本的な15個のアーサナを解説します。
第1節でもご説明しましたが、まずは「アーサナを行うための注意点」のおさらいです。
一般的な注意点が5つありました。
① ヨガをする前にトイレを済ませておくこと
② ヨガをする場所は換気のよい所
③ ヨガを行っている間は、雑念を思い浮かべないようにすること
④ 病気の時や手術、骨折、捻挫の後のヨガの実践は控えること
また、再開する時は、必ず医師に相談してからにすること
⑤ 少しの時間でも効果が得られるので、1日10分などでもヨガをすること
以上を理解した上で、15個のアーサナをそれぞれ解説していきます。
(1)パーダ・ハスタ・アーサナ(立位前屈のポーズ)
<効果>
・怠惰(タマス)の緩和 ・中央気道(スシュムナー・ナーディ)の浄化
・腹部と腿周りの脂肪を減らす
・実践し始めてから 3 ヶ月後には、脚が伸びるようになる
<禁忌>
・背中に痛みなどの問題がある方は、膝を曲げて行うこと
・背下部に問題がある方
(2)アルダ・マッチェンドラ・アーサナ(ねじりのポーズ)
<効果>
・腰痛や背中の筋肉痛の緩和
・背骨の伸縮性の改善
・腹部領域の筋肉と臓器のマッサージ
・便秘と消化不良に効果的
・神経組織と脊柱椎骨の調子を整える
<禁忌>
・背中、腹部に問題がある方
・関節炎、痔がひどい方
・月経中、妊娠中の方
(3)ブジャンガ・アーサナ(コブラのポーズ)
<効果>
・猫背、背中の痛み、腰痛改善
・背中の筋肉リウマチ、便秘の改善
・浄化機能の活性化、食欲改善
・卵巣と子宮の調子を整え、女性機能を助ける
・無月経、月経困難(痛みまたは不順)、 おりもの、など様々な子宮、 卵巣の病気を治す
・女性の出産を楽に、正常にする
<禁忌>
・腹部の外科手術を受けたばかりの方は、完全に回復するまで実践を避けること
・妊婦の方、肋骨、手首を骨折している方
(4)ダヌラ・アーサナ(弓のポーズ)
<効果>
・便秘改善、消化不良の改善
・肝臓の不活発の緩和
・猫背、脚、膝関節、手のリウマチを除去
・体脂肪の減少
・腹部の内臓鬱血の軽減
・生理不順の緩和
・骨の早期老化防止
<禁忌>
・高血圧、低血圧、ヘルニアの方
・首の損傷、背中下部の痛みがある方
・頭痛、偏頭痛のある方
・最近、腹部外科手術を受けた方、妊婦の方
5)マツヤ・アーサナ(魚のポーズ)
<効果>
・喘息を患う方の呼吸を助ける
・気管支痙攣の緩和
・甲状腺、副甲状腺、下垂体、 松果体の調子を整える
・股関節の柔軟性を高める
<禁忌>
・低血圧、高血圧の方
・偏頭痛、不眠症の方
・背下部や首の深刻な損傷、頸部に支障がある方
(6)サルヴァーンガ・アーサナ(肩立ちのポーズ)
<効果>
・甲状腺、副甲状腺を刺激し、 それらの機能を正常化
・弾性のある背骨を保つことで 若さの損失を防止
・脳の血液循環の改善
・便秘、消化不良、糖尿病、内臓下垂、静脈瘤、月経異常改善 ・心臓に静脈血がより多く戻ることで心筋を伸ばす
(6)ハラ・アーサナ(鋤のポーズ)
・骨の退化を防ぎ、⻑寿と若さを促進
・血流で背骨の神経の骨、背中の筋肉に滋養をもたらす
・筋肉痛、腰痛、捻挫、神経痛の緩和
・脊椎の柔軟性、弾力性の増加
・肥満、慢性便秘、鼻づまり、 脾臓、肝臓の肥大改善
・腹部、直腸、腿の筋肉の調子を整える
(7)パスチモッターナ・アーサナ(座位前屈のポーズ)
<効果>
・腹部の脂肪減量
・脾臓と肝臓肥大の改善
・内分泌腺、腎臓、肝臓、膵臓の刺激
・腸の働きの強化
・糖尿病と痔の緩和、背中の筋肉を柔軟にする
・熟練した実践者の場合、パスチモッターナ・アーサナで、
アナハタ・ナーダ (打ち鳴らされることのないという意味の聖音)を 聞くことができると言われている
<禁忌>
・背中に問題のある方
・腹部に炎症のある方
・ヘルニアの方
(8)シャラバ・アーサナ(バッタのポーズ)
<効果>
・腸に蓄積され腐敗しかけた 未消化物をきれいに落とす
・腹部と背中の強化
・内臓脂肪を低減(肝臓、膵臓、肝臓などの 周りの脂肪)
・肝臓機能改善
・猫背、腰痛改善
・消化不良の改善
・腹部、腿、脚の筋肉の調子を整える
<禁忌>
・腰痛や頭痛の症状がある方
・首を痛めている方は目線を床にし、頭は首と同じ位置で保つこと
・妊婦の方、腹部の外科手術を受けたばかりの方
(9)ウッティタ・トゥリコーナ・アーサナ(三角のポーズ)
<効果>
・不安、ストレス、背中の痛み、 坐骨神経痛の緩和
・腸の働きを良くし、食欲を改善
・お尻、鼠蹊部、ハムストリング、 ふくらはぎ、肩、胸、背骨を開いて伸ばす
<禁忌>
・偏頭痛、下痢の方
・低血圧、高血圧の方
・首、背中に損傷がある方
(10)カカ・アーサナ(カラスのポーズ)
<効果>
・身体と精神のバランス強化
・手首と前腕部の強化
・精神的な落ち着きを養う
・脚の代わりに手で立つ体勢のため、 体内のエネルギーシステムの働きを 変化させる
<禁忌>
・手、腕に損傷がある方は、 実践前に熟練したヨガ専門家に相談すること
(11)ガルーダ・アーサナ(鷲のポーズ)
サンスクリット語でガルダは「鷲」を意味します。
このポーズは体が鷲のように見えるた めにその様に呼ばれています。
<効果>
・脚と手の神経、骨の強化
・ふくらはぎの筋肉強化
・坐骨神経痛、脚と手のリウマチ改善
・水腫、睾丸の腫れの改善
・脊柱骨を養い発達させる
<禁忌>
・膝、足首、肘の損傷を負ったばかりの方
(12)ウトゥカタ・アーサナ(椅子のポーズ)
<効果>
・背骨、腰、胸の筋肉の運動 ・胴、背下部の筋肉強化
・扁平足改善
・心臓、横隔膜、腹部の臓器を刺激 ・腿、膝、ふくらはぎ、足首の筋肉の調子を整える
・体をバランスの取れた状態に保ち、断固とした意志力を養う
<禁忌>
・慢性的な膝の痛み、または膝に問題がある方
・関節炎、足首の捻挫、靭帯の負傷がある方
・頭痛、不眠症(不眠)の問題を患っている方
・生理中や、下背部に痛みがある方は、注意深く行うこと
(13)ウシュトラ・アーサナ(ラクダのポーズ)
ウシュトラはサンスクリット語で「ラクダ」を意味します。
<効果>
・浄化機能改善
・背中、肩の強化
・背下部(腰)の痛み緩和
・姿勢改善、生理不順の改善
<禁忌>
・低血圧、不眠症、偏頭痛を患う方
・背下部(腰)の問題、首に損傷がある方
・いつも自分の能力範囲内で実践することを心に留めること
・不調を感じる場合には、ヨガを実践する前に医師に相談すること
(14)ヴルクシャ・アーサナ(木のポーズ)
ヴルクシャはサンスクリット語で「木」を意味し、
しっかり根を張った木を思い起こさせることから、このように呼ばれています。
体が木のように安定し、バランスが取れ、優美に 見えます。
このアーサナはより難しいポーズをする時のウォーミングアップにもなります。
<効果>
・神経筋共応性、バランス力、 持久力、注意力の改善
・お尻、膝、臀筋の鍛錬
・足の筋肉のリラックス効果
<禁忌>
・高血圧の方は、⻑時間、 頭上に腕を上げることは避け、胸の前で合掌でも構わない
・不眠症、偏頭痛を患っている方は避けること
(15)パヴァナムクタ・アーサナ(ガス抜きのポーズ)
<効果>
・胃酸過多、消化不良、便秘の改善
・腹部の臓器を強化
・定期的な実践により、胃腸の問題を改善
・過度のおなら、胃酸過多、関節炎、腰痛、心臓に問題がある方は、 このアーサナで著しく軽減可能
・背中の筋肉強化と背中の痛みを緩和
・生殖器官に効果があり、生理不順を改善
<禁忌>
・腹部外科手術の経験がある方
・ヘルニア、痔の持病を持つ方
・妊婦の方 ・首に痛みやこりがある方、首に支障がある方は、床に頭を置きながら実践すること
今回ご紹介したアーサナを少しずつ、定期的に実践することによって、
肉体的な効果だけではなく、「精神・心」にも良い影響が出てきます。
「体の心地よさは心にも伝わります。」
肉体面からのアプローチによって、体の内面の問題を解決することができるのです。
このセクションで学べることは以下の3つです。
①アーユルヴェーダとは
②健康を保つための3大要素
③診断と診察
アーユルヴェーダの根本理論は、「トリ・ドーシャ(3つの要素・性質)が崩れると病気になる」と考えられていることです。人は皆、この「トリ・ドーシャ」を持っていて、身体の生理機能を支配しています。アーユルヴェーダの考えでは、次の3つの要素のバランスが整っていることで健康な身体を保つことができます。
① 「五大元素」:5つの元素
② 「トリ・ドーシャ」:3つの性質、エネルギー
③「サプタ・ダートゥ」:体を構成する7つの要素
① 五大元素について
アーユルヴェーダの哲学によると、世界に存在する全てのものは「5 つの元素」からできています。
その「五大元素」は、以下の通りです。
*土・地(ブ―ミー・プリティビー)
*水(ジャラ・アーパ)
*火(テージャス・アグニ)
*風(ヴァーユ)
*空(アーカーシャ)
② トリ・ドーシャについて
「トリ・ドーシャ」は「五大元素」の中から 2 つを選んで、「3 つの性質・エネルギー」に分類したものです。
アーユルヴェーダのセオリー(理論・学説)によると、人間を含む自然 界全ての物質は、
この「トリ・ドーシャ」によって次の 3 つのタイプに分類できます。
*ヴァータ(空・風の組み合わせ)
*ピッタ(火・風の組み合わせ)
*カパ(水・土の組み合わせ)
③サプタ・ダートゥについて
サプタ・ダートゥは食物の摂取、消化、吸収、排泄のプロセスです。
つまり、食事に直接関係するアーユルヴェーダの科学です。
「ダートゥ」は身体を構成する物質的要素で、体内 で食物が消化されてできあがります。
目に見えない要素である「ドーシャ」とは違い、「目 に見える」体内の物質が「ダートゥ」です。
ここで問題なのは、その物質の「質」、つまり「ダートゥの質」が問われることです。
この 「ダートゥの質」が健康状態に深く関わっており、その質が優れている事を「サーラ」と言います。
摂取した食物は消化されて「ダートゥ」に、そのダートゥから別のダートゥへ。
「ダ ートゥの連鎖」が生まれます。
ドーシャ(性質・エネルギー)のバランスが崩れると不調や病気を引き起こします。
この崩れたバランスを整えるために、診断と治療を行います。
まず診断についてです。
治療法の前にある診断は次の 3 つの段階で行われます。
1 視診(舌、眼球、肉体的特徴の観察)
2 触診(脈診)(ナーディ・パリクーシャ)
3 問診(身体の細部にまで渡る、聴覚、嗅覚を用いた診察)
「問診」では、皮膚、爪、体質・気質、病気の性質、組織要素の状態、体格、年齢などを 細かく診断し、病気を確定します。
そして、病気を確定した後に「治療法」を施します。
その問題の解決・治療法には 2 種類あります。
1 浄化法(減弱治療)
2 緩和治療
ここ最近、間違ったダイエット法を行った女性達が落ち入りやすいのは、
この「消化力」 を高めずに摂取量を無意味に減らしたり、身体を冷やすような食物を摂取しすぎたりすることです。
これにより身体が冷え、消化力が落ち、冷え性や便秘症になる方が増えています。これでは本末転倒です。
アーユルヴェーダの考え方を参考にすることで、太りにくい体づく りや食生活を意識するなど、
根本を整えていくことでこのような問題も解消できるのです。
身体の生理機能をしっかり知ることで、自分の体を自分でコントロールできるようになり ましょう。
このセクションで学べること
①ヨガの聖地とは
②ヨガの聖地の意義と可能性
ヨガの聖地とは、「個人がヨガを実践するにあたりその場所の持つ物理的または形而上的(感覚や経験によって生み出された世界)を超えた価値が、その効果をよりよいものとしてくれる場所」です。
ヨガの聖地の存在の目的は3つあります。
① 地域・経済の活性化
② 交流・関係人口の拡大
③ ヨガ愛好者・購買意欲の高い女性の観光客・インバウンド誘致
このセクションで学べ学べること
①太陽礼拝とは
②太陽礼拝実践時のポイント
太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)は、 ヨガの究極的な目標の 1 つを達成するための 素晴らしいツールです。
それは、「『体、心、精神』のバランスがとれた状態を目指して励むこと」です。
流派によって方法は異なりますが、一般的には 12 のポーズから構成されています。
また、太陽礼拝は太陽に向かって実践する運動です。
その特徴は、「ヨガ・アーサナ」と「呼吸」がうまく組み合わされていることです。
継続的な実践により、正しい呼吸法の習得や、 内臓脂肪の減少、硬さのない柔軟な筋肉と背骨の構成を助ける効果があります。
より効果的 な実施時間帯は、「日の出」と「日の入り」の時間帯と言われています。
<禁忌>
*高血圧、ヘルニア、心臓病、脳卒中の方は行わないでください
*背中に支障のある方は熟練した指導者のもとで行ってください
*生理中、熱、炎症のある間は実践を避けましょう
<ポイント>
*太陽礼拝を行う前には、太陽に祈りを捧げることが習慣(しかし、必ずやらなければならない、というわけではない)
*全ての努力の成果は「太陽、神からの恵みによるもの」という意識をもって行うこと
*全てのポーズを完璧に行うことが重要ではない(必須ではない)
*各アーサナに対応する「マントラ」も心の中で唱えるとよりよい
*実践後はシャバ・アーサナ(屍のポーズ)で完全にリラックスすること
1)朝に行う場合、太陽の方角に向かって実践します。(必須ではありません)
2)マットの端に立ち、合掌します。 (祈りのポーズ)
3)ゆっくり鼻から息を吸って、鼻からゆっくり吐いてを繰り返します。
1)合掌(祈りのポーズ)をしたままゆっくり息を吸い、頭上に腕を上げます。
2)吸う息と手を上げる動作は同時に行います。
3)可能な限り後方に腕を伸ばします。
4)上達するに従い、骨盤(腰)を少し前に出します。
5)後屈しているとき、指がしっかりと伸びているようにします。
1)ゆっくり吐く息で、身体を前に倒していきます。
2)手と足が横一列に並び、手のひらが床につくまで身体を倒します。 (このとき、膝を曲げても構いません。)
3)膝を曲げずにまっすぐに伸ばし、額を膝につけます。
4)初心者は床に手のひらをつけると、膝が曲がったり、 手の指先が足に触れたりする程度で構いません。
5)数日間繰り返すうちに、脚をまっすぐ伸ばせるようになるので、無理のない程度で行いましょう。
1)ゆっくり深く息を吸った後、右脚を後方に引いて伸ばし、徐々に右膝を床につけます。
2)両手と左脚は横に動かさず、床にしっかりと保ちます。
3)左膝は両手の間に置きます。
4)顔を上に向けて上方を見ます。
1)吐く息で左脚を後ろに下げ、腰と尾骨を上に持ち上げ「逆 V 字」ポーズを取ります。
2)胸は下に向け、踵はできるだけ 床に触れた状態を保つようにします。 (このとき、膝を曲げても構いません。)
3)視線はおへそ、もしくは膝の間にします。
1)ゆっくりと息を吸いながら、体を床と並行に下ろして体の 8 つの部位を床につけます。
(両つま先、両膝、両手のひら、胸、顎)
2)腹部は僅かに浮かせておきます。
1)ゆっくりと息を吸いながら上体を持ち上げて、できるだけ後方に背骨を反らします。
2)実践の最初の数日間は肘が曲がったままになるかもしれません
1)吐く息で、ゆっくり腰と尾骨を上に持ち上げ「逆 V 字」ポーズを取ります。
2)胸は下に向け、踵はできるだけ床に触れた状態を保つようにします。
3)視線はおへそ、もしくは膝の間にします。
4)体勢を保ってゆっくりと呼吸を続けます。
1)ゆっくり吸う息で右脚を踏み出し、両手の間に右脚を並べます。
2)左膝は床につけます。
1)ゆっくり吐く息で左脚も前方へ持っていきます。
1)ゆっくり吸う息で両手を頭上に上げ、後方に体を反らせます。
1)合掌(祈りのポーズ)に戻って、呼吸を整えます。
「気づき」を目的としていないエクササイズとは違う、5000年以上の歴史があるヨガの叡智を学ぶことで、
*ヨガ検定3級合格に向けた知識、スキルの習得!
*身体、呼吸、心の「調和」の取り方が身に付き、どんな状況にもブレない身体・心・精神・考え方に!
*健康で楽しく生きるための知恵を得て、人生をもっと幸せに!
*悩み、雑念、不安を頭からリセットすることができるようになり、積極的な気分に!
*冷静に物事を判断できるようになり、溢れる情報に惑わされず人間関係も良好になる!
など、あなたの人生が変わっていきます!
現代、「ヨガ」というのは様々な形で理解されています。
・ヨガとはストレッチ?
・有名人がするダイエット法?
・やせるためのエクササイズ? などです。
しかし、本来のヨガとは「身体、呼吸、心」の調和が取れた状態を目指し、
「本来の自己を取り戻す」ことにあります。
ヨガの考え方を参考に生きてみることで、
「心も体も健康なライフスタイルへのシフト」することが、
私たち人間の本当の幸せなのではないでしょうか。
◆目的
このコースでは一般社団法人全日本ヨガ連盟が設定した
「ヨガ検定®︎3級」の内容を学習することで、
「身体・呼吸・心の『調和』が取れた状態を身につけること」を目的としています。
◆学習内容
このコースで学習できることは、大きく分けると次の3つです。
① ヨガ検定®︎3級、合格へ向けた知識・スキル
② ヨガの行法(テクニック)を使った、自分に合った調和のとり方
③ ヨガをライフスタイルに取り入れ、健康で楽しく生きる考え方
「検定対策としての知識」を得るだけでなく、
「ヨガの考え方を日常に取り入れ」
「身体も心も健康で幸せになる考え方」を身につけることができます。
(受講生の方の理解度確認のため、各セクションごとに小テストを準備いたしております)
(また、講座の最後に検定対策用の演習テストも準備しております)
◆受講対象者
ヨガ検定®︎3級合格を目指す方はもちろん、
「ヨガの知識・スキルを深めたい」全てのヨギー、ヨギーニの方々です。
「一般のヨギー、ヨギーニの方」はヨガを深く学ぶきっかけに!
「インストラクターやそれを目指している方」は自分の力量を「客観的に分析する機会」に!
この講座を活用していただけると幸いです。
具体的には・・・
身体、呼吸、心を調和させ、本当の自分に出会いたい方
汗をかいて痩せるためだけの一時的なエクササイズではなく、ヨガのよって健康で幸せなライフスタイルを送りたい方
正しい情報を取捨選択し、冷静に物事を判断できる力を見つけたい方
病気にならないための身体づくりをして免疫力を高め、病気を予防したい方
根本的に病気の症状や心の病の原因を解決したい方
このコースに向かない方(以下に該当する方は適応外です)
ヨガ検定®︎3級を自分で勉強できる&したい方
座学が中心であるため、激しいアーサナや運動を期待する方(アーサナの実践もあります)
◆受講における必要条件
「ヨガ検定®︎3級 テキストブック」をご準備いただいた方がより理解が深まります(補足資料もあります)。
◆不安な時代、錯綜する情報、混乱の世の中
様々な情報、価値があふれる現代社会。
不安、激動と混乱の社会。
時代の変化についていくのが精一杯・・・
本来、自然と共に生活してきた人間の営みはその早さ、変化に対応することで精一杯ですよね?
自分の本来の気持ちと身体や呼吸が離れているような、置き去りになっているような感じはありませんか?
こんな時代だからこそ、
「身体・呼吸・心の調和を取ること」が必要です。
それには、ヨガ行法が適しています。
なぜなら、ヨガは5,000年以上前から残る「先人たちの知恵の結晶」であるから。
◆コース内容
このコースは、一般社団法人全日本ヨガ連盟が監修した「ヨガ検定®︎3級テキストブック」に基く信頼性の高いプログラムです。
ヨガの知識を深めるために、ヨガの目的や歴史、アーサナの種類と体の関係、解剖学・生理学を分かりやすく解説しています。
また、本編では「7つのセクション」に分けてご説明します
【セクション1】 ヨガとは何か 〜歴史と語源から読み解く〜
【セクション2 】健康とウェルネスにおけるヨガの役割
【セクション3】 様々なヨガの道
【セクション4】 ヨガ・アーサナについて
【セクション5】 アーユルヴェーダとヨガの関係性
【セクション6】 ヨガの聖地について
【セクション7】 太陽礼拝
さぁ、あなたもヨガ検定®︎3級合格を目指してヨガの知識を深め、
「身体・呼吸・心」を整えることで、健康で豊かなライフスタイルを送りませんか???
全日本ヨガ連盟種子島支部長のヨガ・インストラクターが、全力で応援致します!
ヨガをライフスタイルに❤
ヨガで調和の取れた「身体・呼吸・心」を❤
ヨガで幸せな人生へ❤
あなたと講義でお会いできることを、心より楽しみにしております。
川越 れい子