
概論では「スイッチバックテクニックとは何をターゲットにした、どのような治療技法なのか」、そして操作規則では原則的な介入順序について解説します。
セルフSBTでは実際に身体を動かして離れた筋膜同士の影響の強さをご体験ください。
動画は2014年刊行のDVDに図版や解説を加え、より立体的な理解を促進するよう改変しました。
古い資料となりますためSBTの作用仮説に「複合滑車」を用いていますが、先のコースにて解説した通り現在ではトグルメカニクスが主たる効果の基盤となると考えています。
ここからSBTの各論に入ります。
はじめに回旋動作や仙腸関節の安定化に寄与するファンクショナルラインから大胸筋と広背筋をピックアップし、それらの機能評価を解説します。
回旋制限が大胸筋と広背筋、どちらの短縮に由来するかの見極めに、全体的な機能評価(スクリーニング検査)を紹介します。
治療の解説では大胸筋を起点にしたフロントファンクショナルラインのSBTを解説します。
上肢の操作を通じて上肢帯の評価と手技による介入前後の変化をその手で感じとってみてください。
その積み重ねが機能障害を把握する触診力を育てます。
評価、介入、再評価。
医科学的アプローチとして本来欠かしてはならない過程ですがなかなか周知も実施もなされていない領域です。
クライアントの身体が内包する問題を客観的に把握する術を習得し、専門家としての地力の向上につなげましょう。
上肢の操作01では大胸筋と広背筋の短縮の見極めに使う全体的な機能評価(スクリーニング検査)を紹介しました。
ここでは広背筋自体の短縮を見つける評価法(スキャニング検査)を紹介します。
治療手技の解説では旧DVDにはない「反転」のPOINTについて補足を加えています。
筋膜の遊びが取り去られる瞬間をとらえられると技法の効果は格段に上がります。
コツは操作する手に返ってくる抵抗感の変化に耳を傾けること。
引き続き触診の能力に磨きをかけてゆきましょう。
ここでは棘下筋小円筋(ディープバックアームライン)とスパイラルライン前面との機能的つながりを知ってください。
※これは私の治療を通じた発見なのですが、治療での再現性も高いため信頼性の高い情報であると確信しています。
棘下筋小円筋の機能評価(スクリーニングおひょびスキャニング)、そしてSBTによる解放を解説しています。
手順も増えておりますが、テンポよく操作ができるまで反復練習をしてください。
機能解剖では腸腰筋の所属する筋膜ユニット(ディープフロントライン)の解剖と後脛骨筋とのリンクの強さについて触れています。
評価学(スクリーニング)では腸腰筋の障害で起こる異常動作と下肢筋膜(後脛骨筋)からの影響の有無の確認手段を、SBTの解説では腸腰筋の上部(大腰筋)と下部(腸骨筋もしくは腸腰筋腱部)の評価(スキャニング)をお伝えします。
腸腰筋は軸骨格を支える主要な筋であり、呼吸に関する筋との関係性も深い筋肉でもあるため治療上重要な筋肉となります。
この部位の機能障害を的確に対処できる力を持つことは、治療のクウォリティの向上に直結しますので是非習得していただきたい項目です。
下肢のSBTは重い脚をハンドルに操作するため力ずくな操作になりがちですが、ポジション取りと操作時の力線を縦ではなく横方向(斜めといったらいいでしょうか)に変えるなど工夫をすると無理なく操作ができます。
反復練習をして効率の良い身のこなしを獲得しましょう。
ここで注目していただきたいのは立位での内転筋の評価です。
評価法をマスターするには評価手順の意味を理解することが肝要です。
一番大切なことは「仕組みの理解」です。
兎角手順を作法として覚えてしまいがちですが、それでは本当に知りたい情報は手に入りません。
脚幅はこう!と覚えるのではなく、なにを確かめたいのか、それを知るには何をすればいいのか、という評価学における思考法を獲得してください。
再び大腿筋膜張筋と対側の棘下筋の関係性について触れてゆきます。
実際の治療でも、脚から肩への緊張の波及(オーバーフロー効果)を丁寧に一つづつ客観的に把握するよう努めてください。
SBTを通じて、人体ではひとつの反応が遠く離れた体節まで広く波及してゆくという事実をお伝えしていますが「片方の大腿筋膜張筋が硬ければ必ず反対の肩は上がらなくなる」という誤解をしないようお気を付けください。
これは慣れてくると陥りやすい間違いです。
重要なのは大腿筋膜張筋の緊張がどこまで広がっているのかを確認することです。
ひとつの問題だけを見て全体の把握を怠ると思わぬ失敗もしますし、治療(臨床)から得られるはずだった素敵な発見をふいにする結果につながるかもしれません。
「Cという問題はBへ影響しAという問題が起こる」
というモデルがあったとしても
「Aという問題があるからCが原因だ」
とは言えないのです。
仮にCという問題が起こる理由が複数あれば、全く無意味な時間を過ごすことになります。
そうならないためにも、CがBへ影響しているのか、そしてBがAを起こしているのかを辿らなくてはならないのです。
動画はでは股関節や腸脛靭帯だけでなく、肩の動きも確認しています。
レクチャーも進み、筋膜ユニットの理解も深まってまいりました。
身体を読み解く地図が整ってきている今、本講義を受ける前よりも格段に広い変化を追う力がついてき手頃だと思います。
すると俄然チェックする項目も増えてきて、情報をまとめるのも一苦労…となるかもしれません。
それでも、だからこそ、丁寧に一つ一つ確かめる癖を手になじませてください。
ひとつの大きな筋肉に見える起立筋。
でも実はほどほどの大きさの筋肉の集合体なのです。
腸肋筋と最長筋に対して多裂筋の働きの違いなど、丁寧に問題部位を評価できれば脊柱の可動制限もSBTのような穏やかな手法で解放することができるのです。
胴体部は大きくて操作しずらく感じるかもしれません。
でも、評価の仕組みは肩やら膝やらと何ら変わるものではないのです。
SBTの操作を通じて相手の体幹を操ることに手を馴らしてゆきましょう。
腰方形筋、この筋肉は大腰筋や中殿筋とともに腰痛の立役者となる筋肉です。
この筋は加齢に伴う椎間板の萎縮で弛緩する腰椎周辺の靱帯の代わりに過緊張し、その長さ自体を失うことの多い筋肉です。
緊張の緩和だけで終わらせず、しっかりと筋の長さも作ってゆく必要があることを覚えておいてください。
そのきっかけ作りにもSBTは優秀です。
治療で制限を破って、セルフケア(セルフSBT)の指導で構造的な長さの不足を解消してゆく。
私の治療ではよく使う手立てとなります。
ここでは様々な別法をご紹介いたします。
弛緩・反転・伸張の3相が整えば、様々な姿勢からアプローチが可能です。
動画では実際の治療の際のスピードで行っていますので、その点もご参考ください。
スイッチバックテクニック手技療法編ご受講ありがとうございました
ボーナスセクションでもお話しましたが、映像媒体では伝えきれない「感触」をハンズオンセミナーでお伝えしてゆくこととなりました
セミナー告知は「Peatix」を使っています
検索方法に少し癖があるのですが、動画の指示に沿って検索していただくと「とよたまファンクショナルデザイン」のセミナーページを開くことができます
スイッチバックテクニックの立体的理解と習得に、ご活用いただけましたら幸いです
スイッチバックテクニックは「アナトミートレイン」や「ペルビックガードル」で提唱される筋膜ユニット(機能単位として協働する筋々膜群)を主な介入対象とした手技療法です。
おそらくこれを読む皆さんには、患部へ入念なアプローチをしているのになかなか緊張が解けなかった、という経験をお持ちなのではないでしょうか。
なぜ、こうした難治性の緊張亢進が生じるのでしょう?
それは、患部の緊張が遠くはなれた体節に生じた障害(プライマリ)の影響を受けた結果として生じた緊張(セカンダリ)だからです。
こうしたケースでは原因となる遠位の障害を解決しなければ患部の緊張を解放することはできません。
身体の運動器は体節・筋々膜が相互に影響しあい、ひとつのユニットとして機能しています。
そのため一部の体節に機能障害が生じれば、構造的な連続性や機能的な関連性を持つ体節へ影響が波及してしまうのです。
こうした問題に通常の治療では、一次的障害(プライマリ)から介入し二次的障害(セカンダリ)へと手を広げてゆくのが一般的です。
これには患部の緊張開放にリーチするまでに煩雑な治療手続きが必要となります。
しかし、スイッチバックテクニックでは一度の介入でプライマリとセカンダリ、双方へのアプローチが可能です。
この特性は日々の臨床に画期的な効率化をもたらしてくれます。
スイッチバックテクニックはインダイレクトテクニックとダイレクトテクニック双方の特徴を併せ持つ複合技法です。
受け手には穏やかな刺激でありながら、非常にパワフルな治療効果を発揮します。
臨床の効率化をはかり、治療成績の向上にぜひお役立てください。
このコース2は、2014年刊行のDVDの復刻版となります。
「スイッチバックテクニックの仕組み(概略・作用機序)」と「立位機能評価」「セルフスイッチバック」に加え、手技での操作を学びます。
随所にちりばめた「臨床挿話」もおすすめです。
多くの患者様から治療家としての信頼を勝ち取るために、ぜひ本講をご活用ください。