社会人のためのPython活用術
What you'll learn
- 日々のオフィス業務にPythonを活用して効率化と高品質化
- Jupyter notebookによる業務の標準化
- Excel、VBなどのオフィスレガシーからの脱却
- 普通の業務から統計・データ分析へのスキルアップ
Requirements
- 基礎的なパソコンの操作方法を習得していること
- ウェブブラウザーを使用できるPC環境があること
- Pythonのインストールから環境設定についてはWindows10を前提とします
- プログラミング経験が無くても大丈夫です
Description
この講座は、Pythonを一般のオフィス業務に活用することを目的としています。ここで目指すゴールはデータサイエンスではなく、普通の社会人がPythonとJupyter notebookを活用して、普段の業務を画期的で生産的な方法に革新することです。
オフィス業務では同じような作業を毎日繰り返しています。しかし、全く同じ作業の繰り返しではなく微妙に変化しているので、自動化することもままなりません。プログラミングスキルのある人はVisual Basicを使って効率化を図ろうとしますが、他の人が中身を修正することができないオフィスレガシーと化してしまいます。このような環境を打破するために私たちはPythonとJupyter notebookを利用することを提案します。
注目すべきは、Jupyter notebookの文書化能力とPythonのデータ処理能力です。これらを普段の業務の中の中核的な技術として活用します。すなわち、普通のオフィス業務をJupyter notebook上で行うことによって会社の上司・部下・同僚にも理解でき引き継ぐことも可能な作業の標準化を目指します。そのために必要なスキルの学習を行います。
この講座の対象者は、普段オフィス業務を行っている普通の会社員です。スキルの前提条件は、普段パソコンで表計算ソフトやワープロ文書を作っているようなレベルです。プログラミングの経験は不要です。日々行っている単純な計算は、電卓で行うとキーの打ち間違いを後から見つけることは検算に頼るしかありません。表計算ソフトも便利ですが、たくさんの作業を表計算ソフトで行っていると、数週間前の作業をどのファイルで行ったか分からなくなります。このような計算の処理をPythonで置き換えた場合、難しいプログラムを作成する必要はありません。ですから、本当に簡単なプログラムを作れるようになれば、それだけで今までの作業が画期的に改善できます。この講座では、そのための学習カリキュラムを用意しています。
この講座は、入門編・基礎編・活用編の三部構成になっています。入門編では、Pythonの環境を構築し、Jupyter notebookに慣れることを目標にします。入門編をマスターしただけでも、仕事への適用ができます。むしろ、この段階から積極的に仕事で活用しながらスキル習得を促進することをお勧めします。
基礎編では、Pythonについてしっかり学習します。基礎編を学習するとPythonについての一通りの知識とスキルを身に付けることができます。特に学習方法は、ビデオで紹介した内容をそのままご自身のパソコンで追体験します。全ての学習内容に対して、Jupyter notebookで実行するためのipynbファイルを提供しています。それらのファイルをダウンロードしてハンズオンとしていますので、見て聞くだけのレクチャーではなく、実際に体験するレクチャーとなっています。
活用編では、データ活用を目指した内容となっています。現実の業務においては、単発の計算を行うというよりも、まとまったデータを扱うデータ処理が大きな割合を占めます。そこで、データ処理を前提とした高機能ライブラリーを活用するためのレクチャーとなっています。そこでは簡単な統計も行います。嬉しいことに、ここで学習する高機能ライブラリーはデータサイエンスで標準的に使われているものです。実は、これらを普段の業務で使うことによって、自然とデータサイエンスの入口に立つことができます。
【目次】
入門編:
- Pythonインストール
- Jupyter notebook起動方法
- Jupyter notebookに慣れよう
- 電卓代わりの計算ツール
- マークダウンの使い方
- 演習問題
基礎編:
- 少しだけプログラミング
- 基本的データ型(整数,浮動小数点数,文字列,真偽値)
- 配列データ(リスト,タプル,辞書)
- 組み込み関数
- プログラム制御
- 関数の自作
- プログラム解読
- 演習問題
活用編:
- ビジネスデータの作法
- ライブラリー
- 高機能ライブラリー(NumPy,pandas,matplotlib)
- データ分析の基礎
- 演習問題
この講座ではPythonのディストリビューションであるAnacondaを使ってインストールすることからスタートします。そして全てのレクチャー内容についてJupyter notebookの文書であるipynbファイルを提供しています。ビデオをご覧いただいた後で、必ずipynbファイルをダウンロードして、ご自身のパソコンで追体験してください。手を動かすことによって学習効果を確実なものとします。
Pythonは機械学習や人工知能を実現するためだけのプログラミング言語ではありません。PythonとJupyter notebookをマスターしてオフィスワークに革命を起こしましょう。
Who this course is for:
- 一般的なオフィス業務を行っている社会人
- ExcelやVBなどのユーザー
- オフィス業務を効率的かつ高品質に改善したいと思っている方
- 将来的には創造的な仕事に就きたいが,その手前の基礎スキルを身に付けたい方
Instructor
数学とジャズとウィンドサーフィンが好きな自由人です。
以前は外資系のIT企業で長年働いていましたが、早期定年退職で自分らしい道を歩んでます。
かつてはソフトウェア開発者として統計パッケージなどを作っていましたが、データマイニングの日本への導入のためにビジネスインテリジェンス(BI)のマーケティングを推進しました。
その後、BIコンサルタントとして、日本の様々な業種の一流企業へのデータマイニングのコンサルティングを行ってきました。そこで実施してきた内容についてはお客様の大切な機密事項であるため、退職した後でも話すことはできません。しかし、そこで培ったノウハウや実際の経験に基づくデータ分析の進め方は、これからデータ分析プロジェクトを行おうとする方への適切なアドバイスとなります。
現在は、社会人向けに数学や統計・データ分析を教えています。ちまたでは、データサイエンティストが魅力的な仕事であるとか、単純な仕事は人工知能に奪われる、などの論評から統計やデータ分析を学ぶ方が増えています。しかし、学習の方向性が短絡的であることが多く見られます。統計や多変量解析、ニューラルネットワーク手法など、高度な分析手法を学習すればデータサイエンティスト的な仕事が出来るものだという妄想があります。
高度なデータ分析手法を身に付けても、現実の課題は殆ど解決できません。なぜならば、教科書で学習した内容は最初から解ける問題として提供されているので、覚えた手順で実施すれば解けて当然です。しかし、現実の課題は解ける保証がありません。それと、もっとも難しいことですが、直面する課題はビジネス課題であり、そのビジネス課題からどうやってデータの課題を導き定義するかが全く素人であることです。
実は、今の日本の社会人に必要なことは、創造的な思考能力です。一時期、ロジカルシンキングが流行りましたが、これは日本人の間違った学習方法を助長してしまいました。そのせいで内容は薄いが口だけは立つ人が増えたように思えます。この問題は根深く、学校における数学教育の間違いを引きずっています。
学校における数学教育の何が間違いかと言うと、数学を学ぶ目的がテストで高い点を取って偏差値の高い大学に合格することになってしまっていることです。理系の仕事を目指す人は、まだ数学の有用性を理解していますが、文系の人にとってはテストで点を取る以外に数学を学ぶ理由がないのです。そのため、数学の勉強は「公式を覚えて問題に当てはめる」です。つまり数学の勉強はつまらない暗記でしかありません。これでは、創造的思考能力はつきません。
対象が何であれ、それを学ぶには動機が必要です。数学は理系ではない一般の社会人にとっても大変役に立つ学問です。数学的センスがあると論理的思考ができるようになります。どこの企業でも会議に費やす時間は膨大です。しかも、会議において全く意見が噛み合わすお互いが一方的に言いたいことを言うだけであったり、何を議論しているのかも分からなかったりします。
このような会社における普通の状況において論理的思考ができれば、どれだけ貢献できるでしょうか。議論を最適な方法へ持って行くことができ、周囲の人からの信頼を得ることもできます。すると仕事も効率的になり楽しい職場に変えることも夢ではありません。
私は多くの人が実践的かつ論理的な思考力を付けることによって、楽しい人生を送ってほしいと願っています。そして、そのためのカリキュラムを提供していきます。