
コースの目的と全体像を確認します。また、コース成功の条件について、以下の点をお伝えします。
・楽しく取り組むこと
・ビジネスの構造そのものが変わっているということ、新しい価値創造の方式ができていることを認めること
・プラットフォームビジネスへの障害は「自前主義」などのメンタリティ。新しい時代のルールとして、それを乗り越えられるかが大きなポイントとなる
世界の時価総額トップ10を見ると、今やその殆どがいわゆる「プラットフォーム企業」であることに驚かされます。21世紀に入って株式市場は大きく成長したわけですが、その一つの要因がプラットフォーム企業の登場であることは言を俟ちません。ここではその現実と、具体的な代表事例を見ながら、旧来の企業との違いを実感しましょう。
■扱う事例
・Uber
・Airbnb
・Meta(Facebook) vs. X(Twitter)
まずプラットフォームの定義を確認しましょう。また、その機能についても確認し、なぜプラットフォームが求められるのかを押さえます。2000年にはすでに「富はプラットフォームから生まれる」と洞察されていたわけですが、まさに今私たちはそれを目の当たりにしています。
プラットフォームビジネスは新しい現象というわけではなく、それ自体は昔からあったものです。ただ、いわゆる「市場」の機能を果たすため、ある程度公的(パブリック)な色彩の強い傾向がありました。これがインターネットの登場によってサイバー空間が開放されることで一気に広がったと考えると良いでしょう。
■扱う事例
・日本取引所グループ
・ユー・エス・エス
プラットフォームビジネスの特徴はネットワーク効果を持っていることです。ネットワーク効果とは、ユーザーが増えれば増えるほどそれ自体の価値が増大していくことですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは直接的ネットワーク効果、間接的ネットワーク効果、データネットワーク効果の3種類について説明します。
プラットフォームの種類を確認します。どこまで現実に分けられるかという問題はありますが、大きく2つ、仲介型と基盤型があることを押さえましょう。また、基本はツーサイド・プラットフォームですが、楽天のように様々なプラットフォーム機能がひとまとまりになってマルチサイド・プラットフォームになることもあります。
プラットフォームはレイヤー構造をもちます。例えばFacebookはスマートフォンで広がったアプリですが、Appleの個人情報保護(トラッキング)の方針が変わることで大きな影響を受けました。これはFacebookの広告精度が、スマートフォンのトラッキングを前提にしていたことから起こったことですが、このようにプラットフォームはより下部のプラットフォームを前提にしてサービス提供しています。親ガメの状況が変わればそれに乗っている子ガメも大きな影響を受けますので、その構造を知りましょう。
■扱う事例
・リブセンス
21世紀のデジタル・プラットフォームが登場したことで、20世紀的な戦略論は大きく変わりました。今までは自分で原材料を仕入れて製造して売るという自前主義が普通であったのに対し、今やモノは世界に溢れており、それを見つけ、つなげることができるようになったということです。そして作るよりもそういったつなげる機能を果たす企業が顧客接点を担っており、価値を生み出すようになっています。プラットフォームビジネスが引き起こしたビジネスの構造変化をしっかりとつかみ取りましょう。
ここではデジタル・プラットフォーム登場の帰結はどうなるかを考えます。立地の制約を受けないデジタル・プラットフォームは一強化が進みます。そして近年ではデータを活用してさらに強くなり、その差はより大きく開いていくでしょう。さて、その他にどのような帰結が待っているでしょうか。ここが今のビジネスを考える上で非常に重要な点ですので、必ず理解するようにしましょう。
ここからは具体的にプラットフォーム・ビジネスの構築に入ります。まずは戦略論の基本である市場選択から考えますが、導入としてAmazonのプラットフォーム化について考えましょう。プラットフォームを広げていくには手順が必要です。Amazonの事例を踏まえてニトリのプラットフォーム化について演習を行います。
■扱う事例
・Amazon
・ニトリ
ニトリのプラットフォーム化についての回答例をお示しします。気づいたら「ニトリの製品」をいかに売るか、という発想に陥っていないかどうかを確認しましょう。
ここから、具体的に仲介型プラットフォームについて考えます。これは単純なマッチングを行うものですので、アイデア次第でいくらでも構築が可能ですが、逆に言えば参入障壁が低いので拡大スピードが求められるモデルです。また、一つの市場で仲介型プラットフォームを成功させても、そこから広げていくことは必ずしも簡単ではありませんので、市場の特性をよく洞察しておきましょう。
■扱う事例
・エムスリー
・Amazon Business
・その他様々な仲介型プラットフォームの事例紹介
仲介型プラットフォームをベースにしつつも、エコシステムを形成することで他社からの参入障壁を高めることができます。いわゆる補完材を集める形ですが、エコシステムの構築とも言っています。より強くするための考え方を学びましょう。
■扱う事例
・Airbnb
演習として旅行代理店であるJTBのプラットフォーム化を考えます。
JTBプラットフォーム化についての回答例です。JTBの商品だけを売ろうとしていないか注意をしてください。
次に、基盤型プラットフォームと呼ばれるタイプのプラットフォームビジネスを考えます。これは自社製品に対して補完材を広げることでプラットフォーム化をを進めるもので、仲介型よりも参入障壁が高いと言えるでしょう。最初から補完材の獲得を想定して構築する必要がありますので、その点を注意しましょう。
■扱う事例
・パナソニック(松下電器産業) VHS
・FedEx
・東芝のセガンダリーOCR
演習として外食・宅食を行うワタミのプラットフォーム化を考えます。主に高齢者・病者向け宅食ビジネスでシェアが高いので、その点を踏まえて検討しましょう。
ワタミプラットフォーム化についての回答例です。ワタミの商品だけをいかに売るか考えがちですので注意しましょう。
プラットフォームは一強化するとはいえ、永続的に勝ち続けられるわけではありません。近年で言えばFacebookも勢いを落としており、常に入れ替わる可能性もあるものです。特にテクノロジーの変化が大きな原因になりますので、その点を確認しておきましょう。
ここからはプラットフォームビジネス特有の設計について考えます。主に3つ、ネットワーク効果の設計、ガバナンスの設計、マネタイズの設計が重要な論点になりますが、ここではまずネットワーク効果をどう出すかについてみていきましょう。まずは代表的な事例としてYouTubeやPayPalがどのようにユーザーを増やしていったのかを確認します。
■扱う事例
・YouTube
・PayPal
ネットワーク効果はニワトリタマゴ問題と呼ばれ、ユーザー側を集めるのか、サプライヤー側を集めるのか、その構築の難しさがあります。ここではいくつかの成功事例を押さえながら、ご自身のケースにおいてどういうプロセスが有効かを考えましょう。
■扱う事例
・ガーディアン/食べログ/NewsPicks/その他事例
プラットフォーム・ビジネスでは単純に収益が上がるわけではなく、まずはネットワーク効果を出していく必要があります。そのため、評価指標もそれになったものにする必要があるので一般的なKPIとは異なります。ここではプラットフォーム・ビジネス特有の評価指標について押さえましょう。
次にガバナンスについて考えます。プラットフォーム・ビジネスでは多くの参加者が価値の源泉である一方、その品質を担保することが難しいものです。どのように参加者のモラルや品質を守っていくのか、考えていきましょう。
最後にマネタイズについて考えます。Facebookは高い利益率を誇るのに対し、Twitter(X)は収益化に苦しんでいます。ネットワーク効果をもったとしても必ずしも収益化できないのがプラットフォームの難しいところで、最初からある程度の設計をしておかねばなりません。まずはよくある無料ビジネスの意味合いを押さえましょう。
次に、マネタイズポイントについて整理します。結局のところお金を払ってもサービスを使いたいと思うのはどこかということですが、プラットフォームにおいてはインタラクションとアクセスということになります。ご自身のサービスにおいてはどこに課金することが最も有効かを考えながら学びましょう。
マネタイズは一般的にはネットワーク効果を阻害しますが、設計の仕方によってはよりプラットフォームの品質を向上させる方向にも動きます。マネタイズを図りながらプラットフォームのレベルを上げていくような発想がもてるか、是非考えてみてください。
■扱う事例
・dribbble
マネタイズの考え方を深めるため、ここではNetflixがどのようにマネタイズを考えているのかを考察します。広告モデルなのか有料課金なのか、そしてどのような条件でそれは決まってくるのか、具体例に即して考えましょう。また、Amazonの広告収入についても触れていきます。
■扱う事例
・Netflix
・Amazon
ここからはプラットフォームの設計ではなく、他のプラットフォームを使っていく立場を考えていきます。まずは通常の発想ですが、仲介型プラットフォームをチャネルの一つとして活用することを考えます。
■扱う事例
・Alibabaグループ
・三松
次に自社機能をアウトソースするということで、チャネル(営業機能)以外にも色々なアウトソースができることを押さえましょう。研究開発などのように知的財産がからむものについても有効なプラットフォームが存在します。すべてを自前で完結させないことの強みというものを考えてみてほしいと思います。
■扱う事例
・MicrosoftのAzure
・InnoCentive(wazoku crowd)
プラットフォームの利用という意味では、プラットフォームそのものを顧客化するという発想もあります。補完材として商品・サービスの供給を行うというのは通常の発想ですが、プラットフォームのバリューチェーンを考えてボトルネックを埋めに行くというものもあります。プラットフォームの方から欠かせないパートナーと認識されれば大きな成果につながるでしょう。
■扱う事例
・Airbnb Partners
・MUJIN
最後に、プラットフォームの利用に関する注意点を説明します。プラットフォーム側のインセンティブをよく考え、自身の強みを失わないようにしなければ大変なことになるかもしれません。プラットフォームの何を利用し、何を利用しないのか、是非良く議論してみてください。
■扱う事例
・トイザらス
全体のまとめです。プラットフォームという言葉はよく聞いても、しっかりと全体像を学ぶことはあまりないと思います。まずは第1章の総論部分をしっかり確認し、プラットフォームの価値創造の源泉を押さえましょう。なぜ今の世の中においてプラットフォームがこれほど成功しているのか、そこを構造的に押さえられるかどうかでビジネスパーソンとしての洞察力が変わってくると思います。そのうえで第2章以下の各論を押さえ、プラットフォームへの解像度を上げていってください。
1.【受講者の悩みや問題】
プラットフォームという言い方は耳にするものの、何を意味しており、何が重要なのか今一つ分かっていない
新規事業でプラットフォームビジネスを手掛けたいが、押さえるべきポイントが分からず企画が通らない
GAFAMなどのテック企業が、なぜこれほどの価値を生み出しているのか分かっていない
長らく日本企業の停滞が言われているが、具体的に何がズレているのか、はっきりしない
Amazonや楽天、Microsoftなどのプラットフォームを利用している(利用したい)が、上手く使えているのか分からない
そんなあなたのために、このコースを作りました!
2.【このコースの特徴】
たった3時間の動画コースでプラットフォーム・ビジネスの全体像(価値創造の仕組み、今までのビジネスとの構造的違い、ビジネス設計のポイント)をつかみ、21世紀型の価値創造についてシンプルに理解することができる
プラットフォーム・ビジネスが従来型のビジネスと何が違うのか、その変化を知ることができる
実在の企業をプラットフォーム化するにはどうするか、という演習を行いながら既存ビジネスとの考え方の違いを体感することができる
たくさんの有名企業の事例を紹介、ともすれば概念的な説明になりがちなテーマを具体的にイメージしながら学ぶことができる
新規事業でプラットフォーム・ビジネスを手掛ける際の指針にすることができる
※前提知識なしでも学ぶことはできますが、一般的な経営戦略論を知っていた方がより理解は進みます。
→ 詳しくは補足事項をご参照ください
3.【カリキュラムの概要】
第0章:はじめに
第1章:プラットフォームの破壊力
第2章:プラットフォームの市場選択
第3章:プラットフォーム固有の設計
※具体的に、プラットフォーム・ビジネスの特徴であるネットワーク効果、ガバナンス、マネタイズについて学びます。
第4章:プラットフォームを利用する
■ 補足事項
基本的に事例は2022年度(コース作成時の最新情報)までのものを使っています
プラットフォーム・ビジネスの理解はあらゆるビジネスパーソンに必要なもので、その意味で前提知識なしでも理解できるように作成していますが、より今までとの違いを肚落ちさせるためには基本的な経営戦略論を押さえておかれるとよいでしょう。本シリーズ(「はじめての~」)でいえば、「はじめての戦略論」のようなものを学ばれると更に理解が進むはずです。