
値上げしたいが、客が離れたらと思うと動けない。値段は原価に率を掛けて決めているが、それが正しいのかも分からない。競合が安いので、こちらも下げるべきか迷っている。そんな場面で止まっていませんか。
この講座は、ミクロ経済・価格戦略の用語を暗記するための講座ではありません。講座で約束する変化は、「値段を1円変えたら何が起きるかを、計算で言えるようになる」ことです。知識を増やして終わるのではなく、実際の仕事で説明・比較・判断するときに使える形まで進めます。
■ なぜ、知識だけでは仕事で使えないのか
現場で困るのは、言葉を知らないことだけではありません。値上げしたいが、客が離れたらと思うと動けない。値段は原価に率を掛けて決めているが、それが正しいのかも分からない。競合が安いので、こちらも下げるべきか迷っている。本や動画で個別の用語を覚えても、目の前の資料や案件に当てはめる順番が無ければ、結局は感覚に戻ってしまいます。
そこで本講座では、最初に見る場所を決め、次に数字や事実を分け、最後に自分の言葉で結論を作ります。判断の途中を飛ばさないので、正解だけを覚えるのではなく、条件が変わったときにも同じ手順を使えます。
■ この講座で目指す到達点
講座を通して、次の行動が取れる状態を目指します。
・値上げで耐えられる数量の減少率を、計算できる
・値下げで必要になる数量の増加率を、計算できる
・限界利益率の違いが、値上げ・値下げの効きに与える影響を説明できる
・価格弾力性を、小さく測る設計ができる
・値段を挟む3つの線(変動費・顧客が感じる価値・代替品の価格)を引ける
・値上げをしないほうがよい場合を、判断できる
中心にあるのは「値段を1円変えたら何が起きるかを、計算で言えるようになる」という一つの変化です。また、値上げで耐えられる数量の減少率と、値下げで必要な増加率を計算でき、価格弾力性を小さく測る設計ができ、値段を挟む3つの線(変動費・顧客が感じる価値・代替品の価格)を引けるという成果へつなげます。
■ 早い段階で、まず一度やってみます
セクション1の最後にある【Quick Win】で、主力商品1つの限界利益率を出します。講師の手本に沿って、最初の計算を1つ終えるところまで進めます。最初から自分の会社の資料や難しい案件を用意する必要はありません。講座内の題材で手順を確かめてから、自分の仕事へ置き換えます。
■ 講座の進み方
・導入:この講座の地図と、3週間の進め方/グラフを描く講座では、ありません/【Quick Win】主力商品1つの、限界利益率を出す
・需要と価格:値段を変えると、何が起きるか/値上げで「耐えられる減少率」を出す/値下げで「必要な増加率」を出す/価格弾力性は、推定せず、測ります
・費用と供給:変動費と固定費を、分けます/下限は、変動費です/固定費は、値段を決めません/規模の経済が効く条件
・価格の決め方:値段は、3つの線に挟まれています/上限① — 顧客が感じる価値/上限② — 代替品の価格/原価積み上げは、下限を出しているだけです
・競争と差別化:値下げ競争に、入ってよい条件/差別化が効く条件と、効かない条件/同じ商品を、違う値段で売る/小さく試して、測る
・まとめ:総合演習:価格判断の1枚を作る/値上げが、正しくない場合/小テスト/次の一歩 — 明日からできること
各セクションは、前の章で作った見方や材料を次の章で使う順番になっています。途中の演習では、講師の手本を見る、自分で同じ手順を再現する、自分の題材へ置き換える、という流れで進めます。式や枠組みだけを示して終わらせず、どの情報を拾い、何を比べ、どこまで言えればよいかを一つずつ確認します。
■ この講座の特徴
1. 設計書で定めた一つの変化に絞っています
扱う範囲を広げすぎず、「値段を1円変えたら何が起きるかを、計算で言えるようになる」ために必要な順番へ絞りました。周辺分野を網羅することより、受講後に一つの仕事を自分で進められることを優先しています。
2. 実際のレクチャー名どおりに進みます
掲載ページだけで大きな効果を約束しません。カリキュラムにある題材・演習・まとめの範囲で学びます。講座に無いツール、制度、手法を、説明文だけに足してはいません。
3. 判断の根拠を言葉にします
数字やフレームワークを出して終わるのではなく、「なぜその結論にしたか」「何が変われば結論も変わるか」を言える形にします。仕事で質問されたときに、答えだけでなく根拠まで示せる状態が到達点です。
4. AIは答えを決める人ではなく、抜けや反論を見つける補助として使います
AIを使う場面でも、最終判断は受講者自身が行います。入力する情報、確かめる前提、採用しない出力を区別し、AIの回答をそのまま貼り付けない進め方を扱います。特定の有料機能に依存せず、講座内で示す範囲で進めます。
■ 講座内で使うもの
・価格判断シート.xlsx(限界利益率・値上げ値下げの計算・3つの線・価格テストの設計・価格判断の1枚・完成形)
・プロンプト集_価格(6本)
・テンプレ_価格判断の1枚
・sample_micro
資料がある場合も、数字や文章を自動で正解にするものではありません。考える順番をそろえ、抜けを減らし、自分の結論を残すために使います。自分の資料を持っていない方は講座内の題材で進め、持っている方は同じ欄へ置き換えられます。
■ この講座が向いている方
中小企業の経営者・商品担当者で、①値段を上げたいが、客が離れるのが怖くて動けない人 ②原価に一定の率を掛けて値段を決めており、それでよいのか分からない人 ③競合が安いので値下げを検討しているが、判断がつかない人
「学んだ言葉はあるが、仕事の場面で使い切れない」「数字や資料を見ても、次に何を確かめるか決まらない」「会議で結論と根拠を短く説明したい」という方に向いています。
■ この講座が向いていない方
①経済学の試験対策(需要曲線・無差別曲線などの作図)②ダイナミックプライシング等のシステム導入 ③BtoBの個別見積もりにおける価格交渉(『はじめてのビジネス交渉』で扱う)
また、受講するだけで成果が保証される講座を求める方、個別案件の最終判断を講師に代行してほしい方にも向きません。講座が提供するのは、設計書で定めた範囲の知識・演習・判断手順です。
■ 受講後に残るもの
見終わったあとに残すのは、用語の一覧ではありません。「値段を1円変えたら何が起きるかを、計算で言えるようになる」ための手順と、自分の言葉で説明した結果です。講座の題材で一度通したあと、自分の仕事に置き換え、同じ順番で見直せる状態を目指します。
最初から完璧な答えを作る必要はありません。まずは冒頭の演習で一つ判断し、次の章で根拠を増やし、最後に全体を一つにつなげてください。