
私たちはなぜ、季節の影響を受けてさまざまな不調を招くのでしょうか? 東洋医学(中医学)では、自然界を大宇宙(マクロコスモス)、人間の体を小宇宙(ミクロコスモス)ととらえ、両者は一体となって変化すると考えます。そんな東洋医学の理論にもとづいた、季節の養生の意義について学びます。
東洋医学では、旧暦(二十四節気)にもとづいて季節と体の調和をはかります。旧暦は太陽のリズム(日照時間)を反映したものなので、生物や人間のバイオリズムにも深く関わっています。このレクチャーでは、旧暦の太陽のリズムをグラフ化して、人間のバイオリズムとの関係性と、調和をはかる方法について学びます。
東洋医学では、立春(りっしゅん=2月4日頃)から春が始まると考えます。その後、雨水(うすい=雪が雨に変わる)、啓蟄(けいちつ=土から虫が出る)、春分(しゅんぶん=昼と夜の長さが同じ)、清明(せいめい=生命が清く明るく輝く)、穀雨(こくう=雨が穀物を育てる)をへて、立夏(りっか=5月5日頃)の前日までが春となります。そんな春はストレスの影響で、かゆみ、くしゃみ、目の充血、頭痛、めまいなどの不調が現れやすくなります。また、精神面では怒りっぽくなったりイライラしやすくなります。こうした春の心身の変化について学んでいきます。
春はストレスの影響で不調を招きやすい季節です。そこでこのレクチャーでは、春の養生におすすめのストレス対策として、睡眠や運動のポイント、アロマの活用などについて学びます。
春の養生は、エネルギーの上昇・発散を促すことがポイントです。そのために食事面では、ネギやショウガなどの発汗作用のある食材でエネルギーの上昇・発散を促します。また、エネルギーを補うことも大切で、キャベツやイモ類などのエネルギーを補う食材も積極的にとっていきます。一方で、普段から暑がり、ほてりやのぼせがあるといった人は、春になると体内の熱が過剰に上昇しやすくなるため、アスパラガスや小松菜、イチゴなどの潤いを補う食材で、熱の上昇をしずめます。
梅雨は湿気に悩まされる季節です。自然界では湿気を帯びると木々はジメジメして重たくなり、地面はベトベトとぬかるみますが、同じような現象が人間の体内でも起こるため、重だるさ、むくみ、肌のべとつき、下痢などの不調が現れやすくなります。また、湿気は体内の巡りをつまらせたり乱したりしやすいため、胸のつかえやめまいなども起こります。さらに胃腸は湿気に弱いため、胃腸の不調も起こりやすくなり、食欲不振や消化不良などもよく見られます。精神面では思い悩みやすくなります。こうした梅雨の心身の変化について学んでいきます。
梅雨の養生は、湿気対策がポイントになります。そこでこのレクチャーでは、寝室や寝具の除湿、入浴、控えたほうがいい食べ物、家の中での過ごし方など、体内の除湿につながる生活面での養生法を学んでいきます。
梅雨の養生は、体内の湿気を取ることがポイントになります。体内の湿気を取るには、シソ、ミョウガ、パクチーなどの香り食材や、トウモロコシ、豆類、冬瓜、レタスなどの利尿作用のある食材、米、イモ類、キャベツなどの胃腸の働きを高める食材、タマネギ、ラッキョウ、グリンピースなどのめぐりをよくする食材を積極的にとることがおすすめです。
東洋医学では、立夏(りっか=5月5日頃)から夏が始まると考えます。その後、小満(しょうまん=生命力が満ち始める)、芒種(ぼうしゅ=稲や麦の種をまく)、夏至(げし=1年で最も昼が長い)、小暑(しょうしょ=暑くなりはじめる)、大暑(たいしょ=最も暑くなる)をへて、立秋(りっしゅう=8月8日頃)の前日までが夏となります。夏は体内に熱気があふれるため、疲労、夏バテ、脱水症が起こりやすかったり、動悸や息切れなど、心臓に負担がかかりやすくなります。また、日本の夏は湿気が多く、湿気は胃腸の働きを低下させるため、食欲低下や消化不良なども起こりやすくなります。一方、精神面では喜びの感情が湧きやすくなります。こうした夏の心身の変化について学んでいきます。
夏の養生は暑さ対策として、心臓と胃腸に負担をかけないことがポイントとなります。そこでこのレクチャーでは夏の生活養生法として、昼寝のすすめ、運動する時間帯の選び方、水分補給の方法、冷たい飲食物が夏バテを招く理由などを学んでいきます。
夏の養生の食事面でのポイントは、まず、体内にたまりがちな熱を取ることです。トマト、キュウリ、セロリ、ズッキーニなどの熱を取る食材を積極的に食べることがおすすめです。そして、夏バテを予防するためには、発汗を抑えることも大切です。トマト、レモン、マンゴー、キウイフルーツ、パイナップルなどの酸味食材には、発汗を抑える性質があります。また、発汗で体内の水分を失いやすいので、アスパラガス、小松菜、ゴマ、牛乳、チーズなどの潤いを補う食材もしっかりとると、養生になります。
東洋医学では、立秋(りっしゅう=8月8日頃)から秋が始まると考えます。その後、処暑(しょしょ=暑さがおさまる)、白露(はくろ=つゆが降り白く光る)、秋分(しゅうぶん=昼と夜の長さが同じ)、寒露(かんろ=つゆが冷たい)、霜降(そうこう=しもが降りる)をへて、立冬(りっとう=11月7日頃)の前日までが秋となります。秋は前半が残暑、後半が晩秋となり、その転換期にある秋分前後は寒暖差が激しくなるため、秋バテになりやすい時期です。また、秋は呼吸器が乾燥しやすい季節でもあり、口や鼻の乾燥、のどの渇き、からせき、ぜんそくなども起こりやすくなります。精神面では、落ち込みやすくもの悲しい気分になりやすいときです。こうした秋の心身の変化について学んでいきます。
秋の養生は、呼吸器の乾燥対策と、秋分前後の寒暖差対策がポイントです。そこでこのレクチャーでは、呼吸器の保湿や深呼吸、秋分前後の過ごし方などを学びます。
秋の食事面での養生法は、暑さが残る秋の前半(残暑)と、寒くなる秋の後半(晩秋)で変化します。秋の前半は、呼吸器を潤す食材と体をやや冷やす食材をとるのがおすすめです。呼吸器を潤す食材には梨、柿、ビワ、イチジクなどがあります。体をやや冷やす食材には、小麦、レタス、セロリ、ホウレンソウなどがあります。秋の後半は、呼吸器を寒さから守る食材や体を温める食材をとりましょう。呼吸器を寒さから守る食材には、うるち米、もち米、クルミ、黒ゴマ、ハチミツなどがあります。体を温める食材には、ニラ、タマネギ、ラッキョウ、シソなどがあります。
東洋医学では、立冬(りっとう=11月7日頃)から冬が始まると考えます。その後、小雪(しょうせつ=冬のたよりが届きはじめる)、大雪(たいせつ=雪が降り積もる)、冬至(とうじ=1年で最も夜が長い)、小寒(しょうかん=寒の入り)、大寒(だいかん=最も寒さが厳しい)をへて、立春の前日である節分までが冬となります。冬は日照時間が短いため、植物は光合成ができません。そのため、少ない生命力を地下の根に蓄えて春にそなえていきます。人間の体も同じように、冬になると生命力を体の奥に蓄えて春にそなえていきます。生命力は「体全体を熱する力」と「体全体を潤す力」のふたつで構成されています。冷えやむくみがきになる人は「体全体を熱する力」を補い、のぼせやほてりが気になる人は「体全体を潤す力」を補うことが、冬の養生になります。精神面では、内向きに閉じこもりやすくなりますが、内向きの精神状態は勉強に適しているので、知識を蓄える季節ともいえます。
冬の養生は、生命力を蓄えることがポイントとなります。そこでこのレクチャーでは冬の生活養生法として、生命力を蓄えるための睡眠のポイントや、足腰を鍛える運動、耳のマッサージなどについて学びます。また、冬に起こりやすい痛みやけいれんの予防についても学びます。
冬の食事面での養生は、生命力を構成する「体全体を熱する力」と「体全体を潤す力」のうち、不足している方を重点的に補うことが大切です。「体全体を熱する力」が不足している場合は、クルミ、羊肉、鶏肉、エビなどの熱を補う食材や、トウガラシ、ピーマン、ニラなどの体の内側を温める食材、もち米、カボチャ、栗、ウナギなどの体を温めてエネルギーを補う食材などを積極的にとります。一方「体全体を潤す力」が不足している場合は、アスパラガス、小松菜、豚肉、鴨肉などの潤いを補う食材や、ホウレンソウ、ニンジン、ピーナッツ、イカなどの血液を補う食材などを積極的にとるといいでしょう。
春になると肌がかゆくなったり、めまいが起きたりする。
梅雨になると体がむくみ、胃がもたれる。
夏は夏バテや熱中症に悩まされる。
秋になるとのどや鼻の調子が悪くなる。
冬は冷えや肩こり、関節痛がつらい。
こんな、季節の不調に悩まされていませんか?
こうした季節の不調を予防するためにおすすめなのは、
「自然と人間の体は一体である」と考える東洋医学です。
東洋医学は、自然と体の調和をはかって不調の予防をめざすものです。
医学といっても、薬や治療ばかりではなく、
生活習慣や食習慣を見直す「養生」を重視しているのが特徴です。
そこでこのコースでは、
自然と人間がどのようにつながっているのか、
季節に応じて体にどのように変化しているのかを
東洋医学の初心者の方でもわかりやすいように
専門用語を一切使わずに解説します。
そして、どなたでもすぐ実践できる
季節ごとの養生法をご紹介します。
養生とは具体的にいうと、
◎睡眠や入浴などの生活習慣の改善
◎散歩などの軽い運動
◎食事のとり方や食材の選び方(薬膳、食養生)
などがあります。
特別な道具や食材などは使わない方法ばかりをご紹介しているので、
どなたでも気軽に実践していただくことができます。
また、このコースでは旧暦(二十四節気)にもとづいて養生法をご紹介しています。
そのため、旧暦と季節の関係についての理解も深まり、
四季折々の自然の変化をより身近に感じられるようになるでしょう。
このコースを最後までご視聴いただければ
自然と体の心地いい調和を実感でき、
季節の不調が起こりにくい体づくりを実践していただけるようになります。
それでは、コースの中でお会いできるのを楽しみにしています!